(写真:PIXTA)

 この連載では、英語コーチング・プログラム「TORAIZ(トライズ)」の5000人を超える受講生のデータと学習工学に基づき、最小の努力によって最短で英語の学習目標を達成するためのノウハウを受講生や読者の皆様からの質問に答える形でお伝えしていきます。コメント欄でビジネス英語についてなんでもご質問ください。

 それでは今回も質問にお答えしていきたいと思います。

[今回の質問]

金融機関勤務 Yさん(27歳)

最近、勤務している会社の英語習得の指標としてCEFRというものが加わりました。英語の参考書でも時折、目にすることもあります。CEFRとは何でしょうか。またTOEICとは何が違うのでしょうか。CEFRを前提にどのように英語学習をすればいいのか教えてください。

[回答]
 Yさん、新しい指標が増えてお困りですね。実は、私も困っています。TOEICやCEFR以外にも英語力の指標となる資格・検定試験はたくさんあり、乱立状態です。例えるならば、距離の単位として、ヤード、フィート、メートル、里、尺が混在しているような状態です。本来、資格・検定試験は英語力を測定するための「尺度」でしかないのですが、たくさん種類があるとその換算で頭が混乱してしまいますよね。

 ではCEFRの説明からしていきましょう。まず読み方ですが、「セファール」と読まれています。CEFRは「Common European Framework of Reference for Languages: Learning, teaching, assessment」の略で、日本語訳は、「外国語の学習・教授・評価のためのヨーロッパ言語共通参照枠」とされています。

 欧州評議会(Council of Europe)により開発され、その目的は、「言語と文化の多様性を保護し、多言語教育と異文化間教育を促進し、すべての人に質の高い教育を受ける権利を強化し、異文化間の対話、社会的包摂、民主主義を高めること」とされています。CEFRは40以上の言語に翻訳されており、欧州だけでなく広く世界中で活用されています

 CEFRでは、まず語学力のレベルをABCの3段階に分けます。Aレベルは「基礎段階の言語使用者」、Bレベルは「自立した言語使用者」、Cレベルは「熟練した言語使用者」となります。

 さらにそれぞれのレベルで、1と2に分かれます。例えば、BレベルはB1、B2に分かれます。では具体的にB1とB2の違いについて見てみましょう。

B1
 仕事、学校、レジャーなどでよく遭遇する身近な事柄について、明確で標準的なインプットの要点を理解することができる。その言語が話されている地域を旅行中に起こりうるほとんどの状況に対処できる。 身近な話題や個人的に興味のある話題について、筋の通った簡単な文章を作成することができる。経験や出来事、夢、希望、野望を説明し、意見や計画の理由や説明を簡潔に述べることができる。

B2
 専門分野の技術的な議論を含む、具体的なテーマや抽象的なテーマの複雑なテキストの趣旨を理解できる。ネイティブスピーカーと日常的に会話ができる程度の流ちょうさと自発性をもって、お互いに無理なく会話ができる。幅広いテーマについて、明確で詳細な文章を作成し、時事問題について、さまざまな選択肢の長所と短所を含めた見解を説明することができる。

 日本人の英語学習者はまずはB1を目指し、その後、実務で使いながら英語学習を継続して最終的にはB2レベル以上を目指していくのが理想的な学習のステップだと思います。

 このようにCEFRは単なる「尺度」ではなく具体的な「何ができるか」を表現したものです。具体的な学習目標として利用できます。ですから日本だけでなく世界的に活用が広まっているのです。

続きを読む 2/2

この記事はシリーズ「その英語学習法、間違ってます!」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。