この連載では、英語コーチング・プログラム「TORAIZ(トライズ)」の約7000人の受講生のデータと教育設計学(Instructional Design)に基づき、最小の努力によって最短で英語の学習目標を達成するためのノウハウを受講生や読者の皆様からの質問に答える形でお伝えしていきます。

 コメント欄でビジネス英語や学習法について何でもご質問ください。また、アンケートフォームでも質問を受け付けています(こちら→日経ビジネス「その英語学習法、間違ってます!」質問受付)。

 それでは今回も質問にお答えしていきたいと思います。

[今回の質問]

官庁勤務 Oさん(25歳)
 仕事柄、平日は深夜まで勤務しており、土日も出勤することがあります。仕事が忙しく1週間に20時間の英語学習は到底できません。しかし、将来的には海外留学をしたり、英語で国際会議の事務方をしたりということが予想されます。このような仕事が多忙な場合に、どのように英語を学習する時間を捻出したらいいか教えてください。

[回答
 Oさん、なかなかご自身で環境を変えることも難しい立場かと思います。とはいうものの将来のために英語学習も必要とのことですから、なんとか時間を確保する方法を考える必要はあると思います。

 まず、「20時間の学習時間の確保が難しい」という点から考えていきましょう。TORAIZでは、1週間に20時間の英語学習を推奨しています。これは、お盆と年末を除いて50週を1年とすると、20時間×50週で1000時間を達成することを目指しているからです(なぜ1000時間必要かということについては、「週1回の英会話教室通い、英語が話せるようになるまで何年かかる?」をご一読ください)。

 さて、1年ではなく2年計画で1000時間を達成しようとすると、どうでしょう。2年なので100週が前提となり、1週あたりの学習時間は10時間で済む計算になります。「1週あたり10時間、2年間の学習計画を立てればいいのでは?」という考えにつながるかもしれませんが、私は賛成できません。なぜならば、英語を中心とした生活を2年間ずっと継続するのは容易ではないからです。

集中学習を2年間継続できるか

 まず、週10時間といえども、それなりに英語学習中心の生活になります。それが2年間続くのです。ずっと意識して仕事と英語学習の両方を追求し続けられるでしょうか。

 また、忙しい仕事の合間に取り組もうとしても、どうしても10時間を確保できなくなる場合もあるでしょう。すると2年どころか3年がかりで、ようやく英語で自立して仕事ができるレベル(VERSANTテストで47点)に達するということにもなりかねません。

 さらに、2年や3年のうちに仕事や生活の環境に大きく変化が起きる可能性もあります。特に20代後半から30代前半にかけては、転勤や結婚、出産などのライフイベントが起きる可能性が高いでしょう。どれほど意志が強くても仕事、英語学習、ライフイベントと3つの方向性を同時に追求するのは難しいものです。

 これらの理由で、私は英語学習については、英語を使って自立して仕事ができるレベル(VERSANTテストで47点)を1年で目指すことをお勧めしています。まして、Oさんのような仕事が多忙な人ほど1年で英語をマスターしてしまうべきだと思います。だらだらやっていては挫折する可能性が高まってしまうためです。

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