英語コーチング・プログラム「TORAIZ(トライズ)」を運営しているトライオン代表の三木雄信です。この連載では、TORAIZの5000人を超える受講生のデータと学習工学に基づき、最小の努力によって最短で英語の学習目標を達成するためのノウハウを受講生や読者の皆様からの質問に答える形でお伝えしていきます。今後、皆様からの質問も受け付けたいと考えています。ビジネス英語についてなんでもご質問ください。

 それでは今回も質問にお答えしていきたいと思います。

[今回の質問]

外資系企業勤務 Nさん(26歳)

 私の会社は帰国子女が多いのですが、彼らと比較すると自分の英語の発音に自信が持てず、社内の会議で英語を話すことにちゅうちょしていつも無言でいます。ネイティブスピーカー並みに英語の発音をよくするために何か特殊な英語学習をすべきでしょうか。

[回答]
 このような悩みを持つ人が最近増えてきています。帰国子女の方が増えてきていることも影響しているのだと思います。

 一般的に日本人にとっては、会議で英語のネイティブスピーカーが同席しているときよりも、英語がうまい日本人がいるときの方がより緊張したりするものです。どうしても日本人同士で比較してしまうからでしょう。そうした事情もあって英語の発音をより良くしたいと多くの人が考えているようです。

 しかし、自信を持って会議に参加するというゴールのために、発音矯正に時間をかけることはお勧めしません。なぜならば、英語のネイティブスピーカー並みに英語の発音を改善するのは、成功する可能性が低く、つぎ込む時間とお金に対する効果が低いからです。

 これは科学的に実証されています。米国の心理学者Susan Oyama(1976)は、イタリアから米国に移住した 60 人の英語の発音について調査しました。

 被験者は全員男性で、米国到着時の年齢は6~20 歳、米国での滞在期間は 5~18 年でした。この60人を米国への到着時の年齢で、6~10歳、 11~15歳、16~20歳の3つにグループ分けし、さらに米国での滞在期間で、5~11年、 12~18年の2つに分けて、計6つのグループを作りました。

 被験者には、イタリア人にとって難しい発音を含む英語の短い文章の朗読と自分自身が経験した恐ろしい話について自由に話すという2つのテストを実施しました。

 評価は、被験者の発音とネイティブスピーカーの発音を比較し、1~5(1=なまりが全くない、5=強いなまりが残っている)の 5段階で数値化しました。

 結果は非常に明確なものでした。米国到着時の年齢が発音のなまりに強く影響を与え、滞在期間はほとんど影響しないことが分かったのです。特に16~20歳のグループでは、滞在期間は全く影響ないと言えるほどでした。言い換えれば米国到着時の年齢が16歳以上でネイティブスピーカー並みの発音になった人はまれだったのです。

 また、発音矯正訓練などは米国到着時の年齢が低いときにのみ効果を発揮していることも分かりました。

続きを読む 2/2 発音よりも重要なシラブルとイントネーション

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