(1)パターンプラクティス
1つ目は、パターンプラクティスです。パターンプラクティスとは、あるシチュエーションのパターンに合わせてフレーズを暗記して、一部を入れ替えることでリアルタイムに発話するための学習です。基本的には自主学習で行う分野ですから特別にスクールに通う必要はありません。ポイントは教材の選択と使い方にあります。
TORAIZでのITエンジニアの受講生のプログラムで最も使われる教材の一つが、『プレゼンを100%成功させる!! ITエンジニアの英語』(板垣政樹、小坂貴志著:秀和システム)です。
まず、この本の良い点は、著者がITの実務家で、現場で本当に使われている英語のフレーズが示されていることです。
著者の板垣氏は、米マイクロソフトのシニアプロジェクトマネージャーで、音声認識システムのプロジェクトチームに在籍されていた方です。また、小坂氏は、神田外語大学外国語学部准教授。日本アイ・ビー・エムにSEとして勤務。96年デンバー大学人間コミュニケーション学修士号取得、博士課程単位取得修了満期退学。その後、モントレー国際大学大学院助教授、立教大学経営学部特任准教授を経て、現在に至るという経歴をお持ちの実務家の方です(これらのプロフィルは、この書籍が刊行された当時に掲載されていたものによります)。
他のIT分野に特化した英語教材を見てみると、英語として正しいが、実際は使わないようなフレーズが掲載されていることがあります。その点、この本はむしろ、いわゆるグロービッシュ的なフレーズも掲載されており、英語として正しさよりも実務面を優先させており非常に良書だと思います。
また、英語のフレーズだけでなく、プレゼンテーションのスライドイメージや論理の組み立て方や目線の動かし方などの英語でのコミュニケーション全体を押さえた内容となっており、その点でも実用的です。
さらに、本のタイトルには、「プレゼンを100%成功させる」と入っているのでプレゼンテーションだけが教材の対象かと思いきや、プロジェクトマネジメントもプレゼンテーションと同じくらいの比重で取り上げてあります。したがって、Iさんのようなプロジェクトマネジャーとしての英語を学ぶために十分活用できます。
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