日本企業が定義するグローバルコンピテンシーは?

 では、次に日本企業が定義するグローバルコンピテンシーも見てみましょう。ここでは日立製作所のコンピテンシーをご紹介したいと思います(※3)。

 日立製作所においては、コンピテンシーとして、下記の項目を挙げています。

・変革力
・市場洞察力
・戦略性
・多様性対応力
・協働能力
・成果志向
・チームリーダーシップ
・組織育成力

 ここでも直接的に英語力ということは触れられてはいません。

 このように、孫正義氏、WHOや日立製作所が示しているコンピテンシーの条件を見ていけばある程度の英語力は必要条件ではあるが、十分条件ではないことは明確だと思います。十分条件はビジネス力なのです。

 では、どのように「グローバルに活躍できる人材」としてのビジネス力を身に付ければよいかということですが、これをここで語るには本連載のスコープから外れてしまうので難しいですが、「グローバルに活躍できる人材」を企業がどのように育成しようとしているかを述べることは参考になると思います。

 この日立製作所の事例にもある通り、企業は、グローバル人材となる対象者を選別して育成をしています。これは、グローバル・タレント・マネジメント・システムとして実は多くの日系のグローバル企業でもすでに始まっています。実はTORAIZはこうしたグローバル企業で選抜された将来の経営幹部のグローバル研修の一環として英語のコーチングを多く行っています。

 第1次選抜は、多くの企業で30代前半に始まります。その際の基準は日立製作所の場合は、過去のパフォーマンス・現時点でのコンピテンシーレベル・将来の伸びしろ(ポテンシャル)です。

 その後、日立製作所もそうですが多くの企業では、難易度の高い案件を担当するストレッチアサインメントをOJTとして行うのに加え、さまざまな研修を行っていきます。その中から40代で海外での責任あるポジションについて、さらに本社の幹部を目指していくことになります。

 現在では、多くの企業のグローバル・タレント・マネジメント・システムでは、コンピテンシーも世界共有もしくは互換性のあるものとなってきており(実際には、まだまだ国内外の完全互換まではいかないところが多いのも事実ですが)、研修も英語で行うものとなっています。おそらく、今から10年ほどすると日本でも「グローバルに活躍できる人材」が特別の人材ということではなく、企業の経営者や幹部として活躍できる人材と同義になっていくと思います。

 Tさん。まずは現在の担当業務を頑張って実績を上げるとともに、英語は20代のうちに会社とは別に自力でVERSANTスピーキングテスト47点レベルを突破するのがよいと思います。その後、ビジネスパーソンとして実力をつけ社内で選抜されるように頑張ってください。応援しています。

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