この連載では、英語コーチング・プログラム「TORAIZ(トライズ)」の約6000人の受講生のデータと教育設計学(Instructional Design)に基づき、最小の努力によって最短で英語の学習目標を達成するためのノウハウを受講生や読者の皆様からの質問に答える形でお伝えしていきます。コメント欄でビジネス英語について何でもご質問ください。

 それでは今回も質問にお答えしていきたいと思います。

[今回の質問]

日系IT企業勤務 Tさん(25歳)
 「グローバルに活躍できる人材」とは、英語力があるだけではないと思います。どうすれば「グローバルに活躍できる人材」になることができるでしょうか?

[回答
 Tさん。その通りですね。「グローバルに活躍できる人材」とは、英語力があるだけではありません。もちろん、英語力はあるほうがより良いですが、「英語力だけ」でも意味がないと思います。基本的に国内であっても海外であっても活躍するためには、ビジネス力が大前提だからです。つまり、「ビジネス力×英語力」ということだと思います。

 私が、「グローバルに活躍できる人材」と言われてまず挙げるのは、当然ながらソフトバンクグループ会長兼社長の孫正義氏です(※編集部注:筆者の三木雄信氏は孫氏がソフトバンク社長時代、ソフトバンク社長室長を務めた)。

 正直、孫氏の英語は決して上手とは言えないと思います。発音はカタカナ英語ですし、使っている文法は中学レベル、単語も中学レベル。それに、IT業界で日常的に使われている外来語化した英語の専門用語を追加したレベルです(※1)。

 しかし、この英語でスティーブ・ジョブズ氏を説得し日本でのiPhoneの独占販売の権利を得たのですから、「グローバルに活躍できる人材」としては最高レベルであることは間違いないでしょう。

 孫氏の場合はビジネス力が圧倒的に高いレベルにあるから英語力がそれほど高くなくても「グローバルに活躍できる人材」として大成功しているわけです。

では、孫正義氏のようなビジネス力があれば「グローバルに活躍できる人材」になれると言ってもそれでは回答にならないので、英語力以外の「グローバルに活躍できる人材」の要件を明示している組織の具体的な例を見てみましょう。ご紹介したいのは、世界保健機関(WHO)の強化版グローバルコンピテンシーモデルです(※2)。

※2(出所:WHO
(写真=PIXTA)
(写真=PIXTA)

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