VERSANTはどう難しいのか

三木:では、次に本題のVERSANTテストですが、満点を取るための学習法を教えてください。

高井:まず、VERSANTテストで満点を取ることができるかは英語力だけでなく人による違いも大きいと思います。例えば、発音については大人になってから英語学習を本格的にしてネイティブ並みになることは非常に困難です。また、それ以上にVERSANTテストは流ちょうさを重視する試験ですから、日本語でもゆっくり話す人は難しいと思います。また、「えー」などのフィラーと呼ばれる「間」を埋めるための音を挟みがちな人は満点を取ることは難しいでしょう。なぜならば、そのような人は英語でも日本語と同じような話し方をしてしまうからです。

三木:なるほどVERSANTテストが難しいことは分かりました。しかし、満点もしくは満点近くを取るための勉強法はあるはずです。高井さんがコーチした受講生でそのような人を教えてください。

高井:56点から75点まで約3カ月でスコアアップした受講生がいます。

三木:3カ月とは短い気がしますが、どのような学習方法だったのか、教材も含めて教えてください。

高井:この方は経営者で、ゴールが「人を感動させ、人を動かすようなスピーチを英語ですること」でした。そこで、シャドーイングとしては、『起業家の英語』を使いました。また、フレーズを使ったパターンプラクティスについては、『英語で話す力』を使いました。また、ネイティブコーチとのレッスンでは、トピックディスカッションや受講生が自分の選んだテーマについてスピーチをして、その内容については徹底的に質疑応答するということをしました。

三木:一般的なTORAIZの学習方法であると思いますが、VERSANTテストでハイレベルを目指す人の場合は何が違うのでしょうか?

コミュニケーション能力が問われる

高井:VERSANTテストでハイスコアを出すために、いかなる質問が来てもよどみなく自信を持って話す即応力が求められます。ネイティブコーチのレッスンの中では、常に思いもよらない質問をしてもらって、どんな質問であっても一定のロジックを持って反応できるようにします。

 少し極端な話になりますが、「白の反対は何か」という質問をされた場合。明確な理由なしに「黒」とだけ答えるのではなく、「○○という理由から自分は黒だと思う」「だけど○○という理由からピンクと答える人もいるかもしれない」など、さまざまな可能性を考慮してできるだけ内容が濃く、かつ筋の通った回答ができることこそが優秀な英語話者の特徴です。必ずしも正解がある質問とは限らないのですが、これらについてよどみなく自信を持って回答できるように訓練するのです。ですから、実はこのレベルになると英語力というよりはコミュニケーション力の問題ということもできると思います。

英語力以上にコミュニケーション力が問われてくる(写真=PIXTA)
英語力以上にコミュニケーション力が問われてくる(写真=PIXTA)

 こうしたレッスンをするためにはネイティブコーチのレベルも非常に重要になります。ある種の地頭の良さに加えて知識、ビジネスや人生における経験も必要になってきます。なぜならば、英語力だけでなく、ビジネスパーソンとしてレベルの高い受講生のスピーチを受けて質疑応答するために同じレベルが必要だからです。

 また、受講生とネイティブコーチ間でお互いにリスペクトするような関係も重要だと思います。やはり、一定期間、受講生とコーチという関係であってもコミュニケーションとして密度の濃い関係をベースとするからです。

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