この連載では、英語コーチング・プログラム「TORAIZ(トライズ)」の約6000人の受講生のデータと教育設計学(Instructional Design)に基づき、最小の努力によって最短で英語の学習目標を達成するためのノウハウを受講生や読者の皆様からの質問に答える形でお伝えしていきます。コメント欄でビジネス英語について何でもご質問ください。
それでは今回も質問にお答えしていきたいと思います。
ガス会社勤務38歳 Kさん
私自身、帰国子女でもない日本人としては、英語学習に力を相当入れ英語力を高めてきました。結果、TOEIC Listening & Reading(以下、TOEIC L&R)で915点(満点は990点)、スピーキング能力テストのVERSANTで58点(同80点)までスコアが伸びたのですが、まだまだネイティブ並みとは程遠いと思っています。
これからさらに英語力を伸ばし、それぞれのテストで満点を取るためには何をしたらよいのでしょうか? 特にVERSANT対策について教えてください!
[回答]
Kさん、英語について並々ならない努力をされてきたことと思います。恐らく学校の授業に加えて1500時間から2000時間は投資されたのではないでしょうか? また、さらに上を目指したいとのことに敬意を表したいと思います。
しかし、TOEIC L&Rの満点は十分に可能性がありますが、VERSANTテストで満点は容易ではなさそうです。現実としてTOEIC L&Rの満点の人はそれなりの数がいますが、日本人でVERSANTテストが満点の人は数えるほどしかいないと思います(私の推測ですが数人から数十人の可能性もあると思っています)。しかし、満点を取った人はいるので不可能ではないはずです。
できれば私が回答したいのですが、正直に申し上げますと、私のVERSANTテストのスコアは満点には届いてはいません。一応、言い訳をさせていただくと、過去に当社の米国生まれ、米国で大学まで教育を受けた英語のネイティブ話者の社員にVERSANTテストを受けたもらったところ60点台でした。それほどVERSANTテストは難しい試験なのです。
そこで、今回はTORAIZのコンサルタントでTOEIC L&R満点、VERSANTテスト満点を持つ、当社の高井星香に私がインタビューする形式で、Kさんの質問にお答えしたいと思います。高井は、日系エアラインから現職に転身した経歴の持ち主です。

一言だけ申し上げますとTORAIZのコンサルタントの全員の平均スコアはTOEIC L&R 937点、VERSANTテスト64.9点(2021年9月時点)ですから、高井が2つのテストで満点ですから最高レベルなことは事実ですが、高井だけが突出しているわけではありません。どのコンサルタントでも英語のレベルでは受講生に十分納得していただけるレベルにあります。
三木雄信(以下、三木):高井さんは、TOEIC L&R満点、VERSANTテスト満点を達成しているのですが、比較してどちらが難しいですか?
高井星香(以下、高井):TOEIC L&R満点と比較すると、VERSANTテスト満点の方が難しいと思います。VERSANTテスト満点ということは、VERSANTテストの4つの分野(語彙、文章構文、流ちょうさ、発音)の全てで満点を取ることが必要だからです。これらの4つの分野の中で特に発音で満点を取ることは難しいです。この点TOEIC L&Rでは回答形式からして問われません。やはり、日本人がネイティブ並みの発音にまでいくことは難しいのです。
三木:では、まずより容易なTOEIC L&Rについて聞きたいのですが、どのくらいの期間、何を勉強したらKさんは満点を取れるでしょうか?
高井:Kさんはすでに915点をお持ちですから、恐らくベースの英語力は十分あると思います。ここからはむしろ教材を使って学習するというより、TOEIC L&Rの過去問を徹底的にやることが重要だと思います。過去問で不正解だったところを徹底的に潰すことが必要。過去問を数多くやりながら、継続して受験すれば1年程度で満点にはいけると思います。
三木:具体的にお薦めの教材はありますか?
高井:とにかく過去問を解くのが一番効果的だと思うので公式問題集などが理想的ですが、それ以外ですとご自身の苦手パートに特化した問題集がお薦めです。特に「特急シリーズ」といわれるTOEIC用の教材は、よくある英語教材と比べて情報量が少なく構成がシンプルなのでとても進めやすく、苦手パートがはっきりしている方にはサクサクとたくさんの問題を解くことができるという点からお薦めです。
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