この連載では、英語コーチング・プログラム「TORAIZ(トライズ)」の約8000人の受講生のデータと学習工学(Instructional Design)に基づき、最小の努力によって最短で英語の学習目標を達成するためのノウハウを受講生や読者の皆様からの質問に答える形でお伝えしていきます。

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 それでは今回も質問にお答えしていきたいと思います。

[今回の質問]

外資系企業勤務 Tさん(33歳)
日系企業から外資系企業に転職したのですが、社内外で英語のプレゼンテーションをする機会が増えました。しかし、相手からの反応があまりよくないと毎回感じます。スキルの問題もあると思うのですが、英語で説得力のあるプレゼンをするにはどうしたらいいでしょうか。

 英語でプレゼンテーションをするとき、良しあしが気になるのは当然のことだと思います。転職後ならなおさらです。

 Tさんが現状を打破するために必要なのは、日本語によるプレゼンで身に付いた、スライドや資料を作るときの「思考の癖」から抜け出し、英語でのプレゼンに通用するやり方を把握することです。それを経てから、英語力のスキルを向上させるのが望ましいです。

 ではまず、日本語と英語における話法の違いについて説明しましょう。日本語と英語で文法が違うのと同じように話法も異なります。日本語での一般的な話法は、「起承転結」で、「起」は、問題の提起、「承」はそれを受けての説明、「転」で話題を転換し、「結」で結論づけます。もともとは漢詩を作る際の作法だったとされています。

 「起承転結」の例として、自分の上司である部長に、ホームページ制作会社のコンペについて報告する場合を考えてみましょう。日本語では次のような話の流れになるのではないでしょうか。

(写真=PIXTA)
(写真=PIXTA)

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