この連載では、英語コーチング・プログラム「TORAIZ(トライズ)」の約8000人の受講生のデータと学習工学(Instructional Design)に基づき、最小の努力によって最短で英語の学習目標を達成するためのノウハウを受講生や読者の皆様からの質問に答える形でお伝えしていきます。
コメント欄でビジネス英語や学習法について何でもご質問ください。また、アンケートフォームでも質問を受け付けています(こちら→日経ビジネス「その英語学習法、間違ってます!」質問受付)。
それでは今回も質問にお答えしていきたいと思います。
会社経営者 Mさん(43歳)
いつも連載楽しみに読んでいます。自社の展開を見据えて英語の学習をしたいと考えています。しかし、この連載で推奨しているように、1年で1000時間、毎日3時間の学習時間を確保するのは難しく、始めることができずにいます。経営者として今後ますます多忙になり、夜に会食が入ることも多くなりそうです。このような状況で、どのようにしたら英語をマスターできるでしょうか。
いつも読んでいただきありがとうございます。Mさんのように、英語学習を始めたいと考えている経営者は非常に多いです。TORAIZはスタートアップの起業家や株式公開前後の企業のトップも受講しています。実は、経営者の多くがMさんと同じ悩みを抱えています。
私たちは数年前まで、経営者の受講者には1年プラン(1年間で合計1000時間学習するプラン)の受講を勧めしていました。しかし、継続率があまり高くありませんでした。リスニング力が付き始めた6カ月目くらいで学習時間が激減してしまう人が多かったのです。
なぜ、このようなことが起きるのかを分析してみました。まず経営者は、新しいものや新しい経験が好きで、集中力はあるものの、飽きっぽい傾向がありました。自分で事業を起こす創造的な起業家ほど、その傾向が高かったです。
多忙であるという点も大きな障害だと考えられます。会社の業績が常に安定しているとは限らないため、時間的にも精神的にも、継続的に英語を学習できる状況ではない場合があります。
そこで現在、TORAIZでは2つのプランを推奨しています。1つ目は、1日の学習量を増やして6カ月で仕上げるプランです。2つ目は、1日の学習量を減らして学習期間を1年以上にするプランです。それぞれ、どのようなスケジュールになるか解説します。

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