この連載では、英語コーチング・プログラム「TORAIZ(トライズ)」の約8000人の受講生のデータと学習工学(Instructional Design)に基づき、最小の努力によって最短で英語の学習目標を達成するためのノウハウを受講生や読者の皆様からの質問に答える形でお伝えしていきます。
コメント欄でビジネス英語や学習法について何でもご質問ください。また、アンケートフォームでも質問を受け付けています(こちら→日経ビジネス「その英語学習法、間違ってます!」質問受付)。
それでは今回も質問にお答えしていきたいと思います。
外資系IT(情報技術)企業 Kさん(36歳)
外資系IT企業の日本支社で働いています。もともとはドイツの企業だったのですが、買収されて現在の本社は米国にあります。私はアプリケーションを開発するグローバルな組織に所属しています。進めているプロジェクトは日本企業向けの開発も取り組んでおり、拠点はポーランド、プロジェクトのオーナーである取締役は米国人、プロジェクトマネージャーはドイツ人です。しかし、私たち日本人側の要望がなかなか通らないため、プロジェクトがうまく進みません。先日来日した取締役の米国人に相談したらプロジェクトマネージャーのドイツ人が気分を害したようで、ますますやりにくくなってしまいました。それ以降、ポーランド人のプロジェクトメンバーも私に対してよそよそしい気がします。グローバル組織に所属している際、日本人以外のプロジェクトメンバーとうまく付き合うコツがあれば教えてください。
難易度の高いプロジェクトに参加していますね。うまく回していくためには、各国のビジネス文化に精通する必要があります。まず、どうすればよかったのかという正解から、ズバリ申し上げます。
それは、「取締役の米国人に相談する前に、ドイツ人のプロジェクトマネージャーと徹底的に議論し、その後、プロジェクトマネージャー経由で取締役の米国人に説得を試みる」ということです。ともすれば、外資系企業では、階層を飛び越えて話をしても問題ないというイメージがありますが、必ずしもそうではないのです。

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