車両が来ない駅を掃除し、雑草を抜く周辺住民
地域のために三陸鉄道が果たすべき役割は何か。大地震という危機に臨んで何ができるのか。その1つは、地域の住民の足となり、暮らしを守ることです。目の前の危機に臨んでは、通帳を流されて日々の現金に困る人々を運ぶ(関連記事「『被災後1週間で運行を再開する』~決断を促した雪の上の足跡」)。
三陸鉄道は住民のための鉄道であると同時に、住民が運営に関わっている鉄道です。だからこそ愛されている。以前、久慈駅でこんなことがありました。
久慈駅から南に10kmほど下ったところに久慈工業高校という学校があります。学生の多くが三陸鉄道を使って通学している。ある日、ある学生が慌てて事務室に飛び込んできました。「どうしたの」と理由を尋ねると、「ふざけていて待合室のガラスを割ってしまいました。すいません。どうしたらいいでしょうか」と言うのです。
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この記事はシリーズ「三陸鉄道始末記~3.11大地震から全線再開まで」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
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