経営学の最新の知見を実際の現場にどう生かすか。この視点は就職活動を進める就活生にも有効だ。就活生にとって最初のステップ「夏のインターン」が始まろうとしている今、夏のスペシャル企画として、就活生が入手できる書籍を通じて、効果的な就活を考えてみよう。実際の就活の事例などについては、大学の講義でキャリア教育を共同で実施する、2級キャリアコンサルティング技能士の小島聖子先生に聞いた。

就活生は企業との面接で「ガクチカ」(学生時代に力を入れたこと)について尋ねられることがほとんどだ。このため、あらかじめ何を話すかを考えておく必要がある。
ガクチカを準備する場合、就活生は「バイトやサークル、留学などの経験をまとめ、その中のエピソードをベースとして自分の強みをアピールする」という方向で考えるケースが多い。確かに長期留学などのユニークな経験を持つ就活生にとって、そのような経験をアピールし、他の就活生と差別化したい気持ちは強いだろう。
しかし、企業が知りたいのは、学生時代という過去の時点にどんな強みがあったかではない。むしろ、将来に向けて企業の中で成長し、強みを伸ばせるかどうか=ポテンシャルの高さを知りたがっている。ここには明らかに大きなギャップがある。
就活生は企業に対して経験自体をアピールするのではない。「経験からの学び」をアピールすることを忘れてはならない。
経験からの学びを伝える上で役に立つのが、アカデミックにおける経験学習のフレームワークだ。最も有名なのは、米国の教育学者ディビット・コルブによる経験学習サイクルのモデルだ。
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