「ベゾス氏VSマスク氏、2人の天才が開く宇宙ビジネス勃興の扉」で紹介したように、米国でロケット打ち上げが相次ぎ、「宇宙移住」という遠大な構想を掲げる国家や個人の登場が日本企業の挑戦心をくすぐり始めた。ここ数年というスパンの勝負の先に、「宇宙で暮らす」という未来を見据えた動きが活発化している。キーワードは「衣食住」。日本企業の技術が、安全性や品質が問われる宇宙空間で実を結ぶかもしれない。

 3月9日、中国とロシアは月探査の研究拠点「国際月科学研究ステーション」の建設に協力することで合意し、覚書を結んだ。月探査をめぐっては、米国が有人月面探査「アルテミス計画」を主導しており、日本や欧州宇宙機関(ESA)もこれに参加する。中ロはこうした動きに対抗する狙いで、宇宙開発をめぐる国際的な覇権争いは激しさを増している。

 巨額の資金を投入し、宇宙開発プロジェクトを進める各国。民間でも米スペースXを率いるイーロン・マスク氏が「人類を火星に移住させる」との目標を掲げ、米ブルーオリジンに情熱を傾けるジェフ・ベゾス氏はスペースコロニーや月面開拓の構想を描く。人類が「宇宙で暮らす」という未来が現実味を帯びる中、衣食住の分野に勝機を見いだした日本企業の動きが活発になり始めた。

 「月面住宅」の開発に向け、研究を進めているのが住宅メーカーのミサワホームだ。2017年に宇宙航空研究開発機構(JAXA)の「宇宙探査イノベーションハブ」の研究テーマとして採択。20年2月からJAXA、国立極地研究所と共同で、極限環境下での住宅システムの実証実験に南極で取り組んでいる。

南極昭和基地で実証実験するミサワホームの基地ユニットイメージ
南極昭和基地で実証実験するミサワホームの基地ユニットイメージ
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