「ワレワレハウチュウジンダ……。みなさんこんにちは!」。2月21日、都内の科学館で開かれた講演会。トヨタ自動車の佐藤孝夫月面探査車開発プロジェクト長は、集まった子どもたちを前にちょっとおどけてみせた。

 ただ、表情は真剣そのものだ。「地球のあらゆるところでトヨタ車が走っているが、惑星や月には行ったことがない。私たちは宇宙でも車を走らせて人の移動に貢献したい」と語った。トヨタは月にどんな資源があるのかを探査するため、宇宙航空研究開発機構(JAXA)などと協業して有人与圧ローバ「ルナ・クルーザー」の開発を進めている。

 月面有人探査の環境は過酷だ。月面は空気がない真空空間。風が吹かないから岩石や砂の角がとれず、「レゴリス」と呼ばれるとがった砂やゴロゴロした岩で覆われた荒れ地が続く。地球上の何百倍の宇宙放射線も降り注ぐ。昼、夜が2週間ずつ続いて、昼は温度が120度まで上がり、夜はマイナス170度まで下がる。

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