インタビュー
米ロケットラボのピーター・ベックCEOに聞く
リサイクルはもう「当たり前」現代はアポロ時代より面白い

 子どものころは「アポロ11号の時代に生まれればよかった」と願っていたが、現在は「今の時代で本当によかった」と思っている。当社はこの3年間で、18のロケットを打ち上げ、計97基の衛星を宇宙の軌道に乗せてきた。日本のキヤノンや宇宙ベンチャーのALEも顧客だ。年間打ち上げ本数は日本全体のそれを超える。アポロ時代なら、民間企業がこんな仕事に携わるのは考えられなかったことだ。

 スペースXの有人宇宙船の打ち上げ成功は、業界全体の大きな転換点になった。同社が始めた宇宙船再利用の流れも今では「当たり前」で、やっていない方が時代遅れだ。当社も2020年12月、打ち上げたロケットのブースターをパラシュートで減速して海に落とし、回収する試験に成功した。次は海に落ちる前にヘリコプターで回収する試験に挑む。コスト削減というより現時点では打ち上げ頻度を上げるのが目的だ。1から生産するより再発射までの時間を短縮でき、経験値も売り上げも上げられる。

(写真:Rocket Lab)
(写真:Rocket Lab)

 06年の設立から現在までは小型ロケットに特化し、ニッチ領域でトップになった。それでも最終的に実現したい目標の30%くらいしか達成できていない。

 20年に米航空宇宙局(NASA)から、月面着陸を念頭に置いた衛星を月の軌道に乗せるプロジェクトを受注した。NASAの衛星を自社開発の衛星「フォトン」に載せ、当社のロケット「エレクトロン」で打ち上げた後、フォトンが月の近くまで移動してNASAの衛星を月軌道に乗せる。

 実現したら40%の達成。金星に行く計画もある。現代の宇宙ビジネスは本当にエキサイティングだ。(談)

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