コロナ禍で苦労する飲食店を、食事の先払いで支援するサービス「さきめし」。「困っている飲食店を応援したい」「お気に入りのあの店が無くなっては困る」と考えるユーザーが手数料を負担するため、登録する飲食店の手数料はゼロ円という仕組みだ。2020年3月にスタートしたこのサービスの話題は一気に広まり、先行サービスの「ごちめし」も含めた21年1月中旬までの利用回数は20万食、総流通金額は5億円に達した。

予約サイトや口コミサイトなど、飲食業界では店側が手数料を負担し、消費者は無料でサービスを利用できるという構図が長年当たり前となってきた。タクシーの配車代やお歳暮の送料はユーザーが払うのに、なぜ飲食だけはお店が全てを被っているのだろう──。Gigi(福岡市)の今井了介代表が「飲食店の手数料ゼロ」というサービスを生み出したきっかけは、東日本大震災の経験まで遡る。
作詞・作曲を手掛ける音楽プロデューサーの今井氏。音楽では助けられない目の前の問題に直面し、最低限の衣食住があってこそ自分の生業が成り立っているのだと強く感じたという。自分でも衣食住というインフラを支えるサービスをつくりたい、とぼんやり考えるうちに存在を知ったのが、北海道帯広市の定食屋「結(YUI)」が取り組んでいた「ゴチメシ」というシステムだった。
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