飲食店の食事を宅配するフードデリバリー需要はコロナ禍の影響で急拡大した。伸びてはいるが、競争が激しいため撤退の動きも同時に起こる。大手は陣取り合戦に忙しく、業績は赤字。「フードデリバリーは成長市場」と考えるのは早計なのだろうか。

 「現在の事業環境に鑑み、経営資源を集中すべくサービスを終了させていただくこととなりました」

 2月1日、NTTドコモはあるサービスを終了するリリースを出した。2014年5月に始めたフードデリバリーサービス「dデリバリー」について、今年5月に注文受付を終了して6月にはすべてのサービス提供を終える。

 新型コロナウイルスの影響で最も伸びた市場の1つと言えるのがフードデリバリー市場だ。20年1月に初めて日本人の感染が判明して以降、外出自粛が本格化。4月には緊急事態宣言が発出されて、全国で外出が制限された。在宅ワークの増加も追い風となり、利用は加速度的に増えつつある。

割引クーポンなどマーケティング投資を積極化してエリアごとのシェアを固めようとする出前館。NTTドコモは出前館との提携を通じたフードデリバリー事業から撤退する
割引クーポンなどマーケティング投資を積極化してエリアごとのシェアを固めようとする出前館。NTTドコモは出前館との提携を通じたフードデリバリー事業から撤退する

 調査会社のエヌピーディー・ジャパン(東京・港)によると、20年の市場規模は6030億円(見込み値)という。19年の4182億円に比べて44%増と急拡大した。市場が伸び盛りの今、なぜドコモは撤退を選んだのか。

 ドコモのビジネスクリエーション部の田辺久美子課長は「なぜ今撤退なのかという声は社内にもあった」と苦しい胸の内を明かす。

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