中国の政情が気になっている。習近平(シー・ジンピン)総書記(国家主席)の権力の先行きに、不安と言えないまでも、盤石とは言えない兆候が見えるからだ。

中国の習近平総書記(写真:ロイター)
中国の習近平総書記(写真:ロイター)

 11月に新疆ウイグル自治区ウルムチ市のマンションで起きた火災で10人が死亡。消防車が道路封鎖で入れないなど、厳格なゼロコロナ政策が原因になったとされる。これを発端に中国各地の大学でゼロコロナ政策に対する抗議活動が起きた。

 特に上海では、言論の自由の要求、習氏の退陣を求める活動にまで拡大した。中国において共産党への直接的非難は極めて珍しい。英国のフィナンシャル・タイムズが「1989年の天安門事件以来、例がない」と報道したほどだ。

 抗議活動に対し、中国政府がどう出るかと思っていたら、ゼロコロナ政策を大幅に緩和した。習氏は共産党大会ではゼロコロナ政策の堅持を繰り返し強調したにもかかわらず、事実上、大修正をしたことになる。

政治学者、舛添要一氏から聞いたこと

 もう一つ、僕が信頼する政治学者の一人、舛添要一氏(元東京都知事、元厚労大臣)と先日、対談したときに聞いた話がある。

 舛添氏は近年、ヒトラー、ムッソリーニ、スターリンについてそれぞれ本を書いた後、今度は毛沢東について書くつもりだった。しかし、それを知った中国の学者たちに、毛沢東のことを書いたら中国には行けなくなる、と忠告されたそうだ。内容がどうあれ、毛沢東について自由に書けないのは、中国の言論統制の一環なのだろう。

 ところが最近になって、同じ中国の学者に、書いても大丈夫だと言われたというのだ。

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