「日本の将来は暗い」と僕は思わない

 日本の大企業は、社長の多くがサラリーマン社長だ。つまり、経営者になることが最終目標になってしまい、上の言うことを聞くだけの「守りの経営」になる。

 僕は日本の大企業を多数取材したが、共通することは、チャレンジ精神のある人材は社内で敵を作ってしまって昇進ができないことだった。敵を作らない人材がトップに上り詰めていくのである。すると、チャレンジしない組織になってしまう。これが大きな問題だ。

 22年7月の参院選で岸田首相が国民に明るい未来が見えるようなビジョンを提示して、安定的な議席数を獲得できれば、岸田内閣は少なくとも3~4年は継続するのではないかと思う。長期政権になるか否かは、来年の参院選にかかっているといえる。

 「日本の将来は暗い」という声が多く上がっているが、僕はそうは思わない。現状維持を前提とするから暗い見通しになるのである。日本的経営を抜本的に改革できれば、日本の未来は明るいと僕は見ている。悲観論を唱えるのは楽だ。重要なのは、どう改革していくかという道筋を示すことである。

 僕は衆院解散の翌日に岸田首相に面会し、「大平正芳元首相のような国家ビジョンを示すべきだ」と伝えた。岸田首相がこれから提示する政策ビジョンに、大いに期待している。

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