2022年の参院選に向けて政策ビジョンを示せるか

 2021年も終わりに近づいてきたが、22年はどんな年になるのだろうか。

 最も大きな注目点は、22年7月に控える参院議員選挙だ。自民党が勝つための鍵となるのは、「何のための参院選なのか」を示すテーマ作りだろう。安倍元首相はスキャンダルが多かったものの、テーマ作りがうまかったから、結果的に「国政選6連勝」を果たした。岸田首相はどう動くのだろうか。

 岸田内閣が取り組まねばならないテーマは、大きく4つある。1つは、経済対策だ。岸田首相は「成長と分配」と主張しているが、停滞した日本経済を、どのように成長させるのか。

 2つ目は、米中対立への対応である。これは先にも触れた通りだ。

 3つ目は、憲法改正だ。安倍政権時代も憲法改正が話題に上ったが、当時も今も自民党内で本気で考えている議員はあまりいないのではないかと思う。その中で、岸田首相は憲法改正にどう動いていくのか。

 4つ目は、地球環境問題である。カーボンニュートラル(温暖化ガスの排出実質ゼロ)は実現できるのか。菅前首相が50年までにCO2ゼロという目標を掲げたが、実現に向けてどうしていくのか。

 最も重要なのは経済政策だろう。岸田首相が掲げる「新しい資本主義」とは一体何なのか。安倍元首相が12年に政権に就いたときは、日銀の黒田東彦総裁とともに異次元の金融緩和を打ち出し、大規模な財政出動を行うことで内需を拡大しようとした。しかし、失敗に終わっている。

 岸田首相は、「成長と分配」を主張しているが、現状から、どこをどう変えるのか。具体的なビジョンを示す必要がある。

 僕は、日本経済をどう成長させていくべきかを議論するチームの結成を政府に提言している。安倍政権では18年に、安倍元首相が信頼する西村康稔氏を経済再生担当大臣に任命し、日本の産業構造を変えようとした。ところが、安倍氏は途中で辞任することになった。次の菅義偉政権は成長戦略会議を開催したが、菅氏も途中で辞任してしまった。そこで岸田首相に、こういった専門家チームを引き継いだらどうかと進言したのである。

 岸田首相がこれからどのようにかじ取りをしていくかはまだ発表していないが、僕は岸田首相に直接会い、取り組んでほしいことを提言した。その内容は「日本的経営からの脱却」である。

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