先日週刊誌の企画で、自民党の元幹事長の二階俊博氏と対談した。台湾有事の可能性などについて話したのだが、そこで出てきたのは岸田文雄首相の独走ぶりへの批判だ。

岸田首相の独走ぶりに、批判の声が自民党内からも出ている(写真:ロイター)
岸田首相の独走ぶりに、批判の声が自民党内からも出ている(写真:ロイター)

 二階氏によると、安全保障政策の転換など重要な決断にもかかわらず、自民党内の経験豊富な実力政治家にすら何の相談もなく行われる、という。

 二階氏は自民党の重鎮であることはもちろん、中国の習近平総書記(国家主席)に最も信頼されている日本人政治家だ、と僕は考えている。だから例えば安全保障上の決断をするにしても、中国を刺激しないやりかたやタイミングについては二階氏が最適な相談役だろう。二階氏は岸田氏から話を聞き相談に乗ろうと考えているのだが、岸田氏からは連絡がないという。そして、こうしたことは二階氏にとどまらないようだ。岸田氏の独走ぶりを批判する声が上がっている。

 これは岸田氏というより、岸田氏の周囲のスタッフの問題かもしれない。

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