もはや紹介するまでもないほどに世界的ヒット作として知られるNetflixの韓国発オリジナルシリーズ「イカゲーム」。エンターテインメント界をリードする存在に上り詰めたNetflixと業界の風雲児である韓国がタッグを組み、大きな話題をさらいました。米国時間の1月20日に発表するNetflixの2021年度通期決算では、イカゲームなどの韓国発コンテンツの「貢献度」にも注目が集まっています。一方で、このようなヒットが作り出された背景を知れば知るほど、なぜ日本ではなく、韓国だったのか。そんな疑問も生まれます。世界第3位の産業市場規模を誇る日本は果たしてグローバル時代の流れに乗ることができるのでしょうか。テレビ業界ジャーナリストとしてコンテンツ産業に詳しい長谷川朋子さんが解説します。

 韓国を舞台に経済的に困窮する456人が巨額の賞金を懸けて、デスゲームを繰り広げる「イカゲーム」のストーリーはテンポ良く、ビジュアルもキャッチー。世界中のNetflixユーザーの目に留まりました。2021年9月17日に全世界で同時配信された後の4週間で、1億4200万もの世帯が再生し、この外国語シリーズがまさかのNetflixシリーズ歴代1位の視聴数を打ち立てました。

 Netflix第3四半期の決算にも好影響を及ぼします。Netflixが10月19日(米国時間)に発表した2021年第3四半期(7~9月)決算は前年同期比16%増の約75億ドルを計上し、有料メンバー数の増加数は、予想の350万人を上回る440万人でした。9月末時点の有料メンバー数は2億1400万人に上ります。

 今はまさに話題が話題を呼び、好循環サイクルへと入っています。米ニールセンによると、視聴時間は30億分を超え、伸び続けています。また米ブルームバーグが入手した内部文書によると、Netflixに約9億ドル(日本円で約1030億円)の価値をもたらすと予測されています。

 シーズン2はいつ作られるのか。そんな先走った話題でさえも事あるごとに各国のメディアが報じています。ファン・ドンヒョク監督が、21年11月8日(現地時間)にロサンゼルスで開催された映画とアートのイベント「LACMA Art+Film Gala」で答えた一挙一動をすぐさま米3大ニュースメディアのCNNなどが取り上げています。ドンヒョク監督は同作に対する反響の大きさから、第2シーズンを制作する以外に「選択肢がない」と話し、ファンの期待感を高めています。Netflixからの公式発表が待たれます。

次ページ ヒットの要因は3Cコンテンツ戦略にあり