世の中には様々な将来予測があるが、そのほとんどはあまり当たらない。その中で将来人口は、誤差はあるとはいえ、比較的予測しやすい。今回は、最新の国勢調査の結果と、国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口・世帯数のデータを使って、地域の将来を大まかなベクトルとして予測してみる。見えてくるのは、2040年には全都道府県で人口減少に転じ、沖縄県だけが世帯数増加となる予測。人口減少の加速で「地域のトリアージ」が迫られる将来像だ。

(写真:PIXTA)
(写真:PIXTA)

 前回の記事では、6月25日に発表された令和2年(2020年)国勢調査の人口速報集計について取り上げた。人口速報集計の内容を改めてまとめると、以下のようになる。

  • ・人口は1億2622万7000人で、2015年から86万8000人、0.68%の減少
  • ・一方、世帯数は5572万で、2015年から227万、4.2%の増加
  • ・全国1896の自治体のうち、人口が増加しているのは21.8%の414自治体で、残りの78.2%に当たる1482自治体は人口が減少
  • ・しかし、自治体の人口カバー率でみれば、44.2%の5584万人が住む自治体では人口が増加し、残りの55.8%に当たる7038万人が住む自治体で人口が減少
  • ・世帯数が増加しているのは62.2%の1180自治体で、残りの37.8%に当たる716自治体で世帯数が減少
  • ・自治体の人口カバー率でみれば、86.4%の1億911万人が住む自治体で世帯数は増加しており、世帯数が減少しているのは13.6%、1712万人が住む自治体にすぎない

 つまり最新の国勢調査の結果から分かるのは、日本全国で人口が減少しているわけではなく、人口が減少している地域と増加している地域が人口比ではほぼ半々に分かれているということだ。加えて、人口カバー率でみれば、多くの人が住んでいる地域では世帯数が増加している。日本人の半分弱くらいの住んでいる場所では、今まで通り人口も世帯も増え続けており、これでは多くの人が人口減少を実感できないのも不思議ではない。

 人口が減少している場所と増加している場所が分かれていて、人口比でみればほとんどの場所で世帯数が増えているということは、住む場所の選別が進んでいるということなのである。

 そして、この傾向・ベクトルがどうなるかは、国立社会保障・人口問題研究所の「日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)」と「日本の世帯数の将来推計(都道府県別推計)(2019年推計)」を国勢調査のデータと組み合わせると、ある程度見えてくる。

続きを読む 2/4 2020年時点で顕在化しつつある地域差

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