前回の記事では、住宅ローンを利用した持ち家の購入が、“自分自身を顧客とした有利な賃貸事業”であり、“強制的な個人年金の積み立て”とも考えられることを紹介した。これらはいわば住宅ローンを戦略的に考えるということだが、実際にいざ住宅ローンを組んで家を購入しようとする場合には様々な選択肢がある。借入期間は長いほうがよいのか短いほうがよいのか、頭金はどれだけ入れればよいのか、繰り上げ返済すべきかどうか、といったことについて考えてみたい。

(写真:PIXTA)
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 住宅ローンの利用にあたってまず考えるべきは、いつ住宅ローンを借りるのか=持ち家を買うのか、というタイミングの問題だ。

 1つのタイミングは結婚してからだろう。その大きな理由は、住まいとは夫婦が話し合って決めるべきものだからだ。夫婦とはいえ別の人格なので、どこに住むと満足度が上がるのか、どんな家が好みなのかということをすり合わせたほうがよい。結婚してから数十年も住み続けることが多いわけで、夫婦双方が納得した家を買うべきだろう。

 また、将来子供を持つことを考えるなら、その点を踏まえて家を選ぶ必要もある。どこに住むかは子供に大きな影響を与える。教育環境を重視するのか、あるいは自然環境を重視するのか、夫婦で話し合ったほうがよい。さらに、共働きが当たり前になっている現在では、子供の面倒を見てもらうために親が近くにいたほうが都合がよいことも多い。

 一方、結婚していない場合は40歳という年齢が1つのタイミングになるだろう。これは主に貸す側の理由が大きい。住宅ローンは長期で貸すことが多く、返済期間35年だと40歳で借りると75歳で返済が終わることになる。返済完了時の年齢を考えれば、40歳を超えてくるとだんだん貸しにくくなるわけだ。

 では、返済期間はどうすべきか。これは、「できるだけ長くする」のが正解だ。なぜか。

借りられるだけ借りて、返済期間は延ばせるだけ延ばせ

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