このように複数のデータから、賃貸よりも持ち家のほうが優れているのは自明の理だと筆者は考える。しかし冒頭で紹介した住調のデータを20年さかのぼり、1998年と2018年を比較してみると、実は近年、持ち家率が下がっているのが実態だ。

 全体の持ち家率は98年が60%、18年は61%で大きく変わっていない。ただし総世帯数自体が98年の4421万世帯から18年には5393万世帯と約20%増加しており、持ち家率の高い高齢者世帯が増加している点を考慮する必要がある。40歳代に限れば持ち家率は98年の66.6%から18年には57.6%と9.0ポイント低下し、50歳代では98年の74.9%が18年には67.6%と7.2ポイントも低下しているのだ。

 次回は、なぜ持ち家率が低下しているのかを考えてみたい。

参考文献
宗健(2014)「民間賃貸住宅における家賃滞納の定量分析」都市住宅学86号

この記事はシリーズ「データで解き明かす不動産の真実」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。