変化を「許容」する力がない

既存の環境を維持したいという不安感がそうさせるのでしょうか。

伊藤氏:100万歩譲ってそういう人たちの側に立つと、固まった企業文化で育ってきたので、新しいものがいいわけではない、と思わざるを得ないのでしょう。時代の流れに伴って企業は必ずピークダウンしますが、日本には長く続いている会社も多くあります。自分を守るためというより、そういったトレーニングを受けてきて、我々は大丈夫だという自信があるのかもしれません。

 だから、いざ仕組みを変えるとなれば、不安以前に、生きざまを否定されたような感じになる。こちらがそういうつもりはなくても、です。世界の成功例を伝えたり、同じ轍(てつ)を踏んで失敗している会社を例に出したりしても「うちは関係ない」となってしまう。そこはすごく残念です。変わらないといけないと思っている人も、いざ変わるとなると拒絶反応が出てしまう場合が多くありますね。

 きれいな言葉でいうと「変化に対する免疫がない」のですが、実態は、新しいことに対して「許容」する体質が欠落しているのです。

「許容」というのは、もう少し具体的に言うと、どういうことでしょうか。

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この記事はシリーズ「プロ経営者、伊藤嘉明の自戒」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。