本シリーズ「中小企業不要論を吹き飛ばせ!」はコロナ禍や「不要論」の中で、規模は小さいながらも強みを発揮する企業を取り上げてきた。経営と所有が近い中小企業は、ガバナンスの懸念はあるものの、理念経営を育む土壌がある。従業員やユーザーなど様々なステークホルダーと生きる姿は会社の未来を映し出している。

CBcloud(東京・千代田)の松本隆一CEO(最高経営責任者)は2013年、亡き義父の遺品からA4手書きの「事業計画書」を見つけた。
「軽貨物運送業を営むドライバーの経営状況は厳しい。当社がこうした人材を集め、企業へ派遣する」

松本氏は義父の志を継ぎ、配送ドライバーと荷主をマッチングするオンラインサービス「PickGo(ピックゴー)」を開発した。
荷主が荷物の集荷先や配達先など依頼内容を入力すれば、ドライバーの評価などを確認しつつ選べる仕組み。営業力が弱い個人事業主でも仕事を得られるプラットフォームだ。
もとは羽田空港で航空管制官として働いていた松本氏が縁もゆかりもない物流業界に飛び込んだのは義父の理念と情熱に心を動かされたからだ。
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