編集Y:1日1000キロ?! 東京-青森でざっと700キロなのに。でも考えてみれば、メーカーの開発の方が、自社製品だけじゃなくてよそのも含めて、いろいろな環境でクルマにがんがん乗るって、すみません、部外者なので本当に物言いがキツいですけど、まったく当たり前というか、やるべきことではありますよね。

廣瀬:当たり前ですよね、当たり前です。だと思います。

池田:一つそこで指摘するとすれば、やっぱり日本の道路環境だと渋滞路が多過ぎるんですよ、特に都市部は。

編集Y:確かに、確かに。

廣瀬:そうですね。

池田:しかも向こうは道が結構曲がっているんですよね。

編集Y:面白い道が多いんですね。

廣瀬:クルマの差がとてもよく分かる環境なんです。

池田:そう。多分地形が造られた年代の違いがあるせいだと思っているんですが、地面そのものが穏やかに隆起する起伏があって、そこを曲がりながら走るから、荷重が抜けたり、入ったりが結構起きるんですよ。

編集Y:そうなると評価も変わってくるわけか。若者のクルマ離れなんて言いますが、メディアのほうにも、専門誌は別として、自動車会社には興味があるけれどクルマには興味がない、という人がいるんです。何でないんですかと聞くと、「いや、だってどれに乗っても同じだろう」という。確かに日本の渋滞路でいつも這いずっているだけだったら、どこのクルマもそんなに変わらないかもしれない。

廣瀬:いや、本当は違うんですけど。

池田:そうです。シートに座っただけで違いますよ。

編集Y:はいはい、すみません(笑)。

日本の馬は練習馬向き?

廣瀬:ヨーロッパへ行ったときに、ある馬術家と、人馬一体の話から馬術の話になったことがありました。馬術の中でも「近代五種」の競技って馬を選べなくて、抽選で決まるんだそうですが、「ドイツの馬とフランスの馬とイタリアの馬は全然違うんだ」と言うんです。

池田:どう違うんでしょうね。

廣瀬:それが、クルマの特徴そのままなんだ、と言うんですよ。ドイツの馬はもう8割人間の言うことを聞くように躾けられていると、だから乗り手が正しく指示を送れたらちゃんとその通り動く。フランスは5:5だと、イタリアは2:8だと。

編集Y:2:8? どうするんでしょう、それで競技するって。

廣瀬:人が御せない部分は、馬がどう動きたいのか人が察知して、目的に沿うように御してやらないと思う通りにならない。クルマのクセに人間が合わせるようなイメージでしょうか。

編集Y:ドイツは騎手の意図が8割、イタリアはその逆、フランスはその中間。うーむ。

廣瀬:じゃあ、日本の馬はと聞くと……これはその人が言ったことで、本当かどうかは存じませんが。

池田:はいはい。大人の小話として伺いましょう。