廣瀬:その間はクルマの状態を乗員全員にノーティス(お知らせ)しながらです。でないと、ドライバーが失神したことで車内がパニックになってしまうので。自動運転のレベル3とか4とかって言い出すと、永遠に自動で走るということを担保しなきゃいけないので非常にハードルが高くなるんですけど、現状のADASの延長線上で、人間が恒常性を失ったときに助けると。

編集Y:飛行機で言えば、機長に何かあったら、副操縦士(コ・パイロット)が引き継いで着陸させてくれる、それと同じロジックってことですか。

廣瀬:はい。言葉の上で言ったらエマージェンシー・ドライバーズ・アシストというようなことになるわけですけど、現技術の延長線上で、そうした退避走行を可能にする、恒常性の喪失からの事故によってさらに重大な事態に陥らないように回避してあげる、ここに価値を見いだしているというか思いを込めているという。

池田:なるほど。そのあたりの考え方からしてなんともマツダらしいですね。

廣瀬:かえって分かりにくいかもしれないですけど。

コ・パイロットの運転が素晴らしいが故の疑問

池田:いやいや、概念はもう5年くらい前からずっとご説明いただいていますし、先日三次で体験させていただいているので、身をもってその技術の意味するところは理解しました。第一印象としては「このシステムの運転はものすごく上手いなぁ」と感じました。廣瀬さんも実際に乗られているわけですよね。どうですか、かなり満足のいくものになっています?

廣瀬:先ほど人がちゃんとGの反作用に対して動かされるのが心地がよいんだという話をしましたけど第3回、その作法にのっとって退避走行をします。やっぱりそこまでちゃんと一気通貫の考え方で止めるということをやっていますので。

池田:なるほど。

廣瀬:上手な人の横に乗って安心して止まる状態だというふうに思ってください。私の運転よりはたぶん上手だと思います。

池田:本当に、それが言い過ぎにならないものになっていました。ちょっとビックリするくらい。Yさんより遙かに上手いです。

編集Y:うっ(笑)。

池田:でも、その完成度を知ったので敢えて苦言といいますか、疑問に答えていただきたいことがあります。一昨年、ボクが藤原(清志・副社長)さんのインタビューをしたとき、マツダのADASはどこかおかしいと、躍度(単位時間当たりの加速度の変化率)のコントロール、それはGの変化ってことでもありますが、それがダメだと申し上げて、その後御社の社内でちょっと騒ぎになった話があったじゃないですか。

編集Y:へえー。

池田:コ・パイロット2.0でこれができる、ということは、根本的な運転のリファレンスはしっかりしているはずなのに、あのときは何でああなっちゃったんでしょうね。

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