廣瀬:そのコモンアーキテクチャーに必要な技術要素や生産システムをビルディングブロックで積み上げて、一括開発で造る、というのが体系的に始まったのが2007年なんですね。私たちの定義で言うと第6世代という商品群。現在の流れは、あそこからビルディングブロックをずっと積み上げてきています。

 要するに一回ごとにご破算にする焼き畑農業式じゃなくて、一度積み上げたブロックが土台や資産になって、その次のブロックは、その資産を高める方向に積んでいくと。だからさらに積み上がった資産でもって、また次の資産をつくる、という構造になっています。その一括開発を期間で区切って、「この期間はこれを使う」という感じです。

 積み上げですからある意味、踊り場にいる間は我慢をして、次のステップでまたどんと上がるという、その覚悟をすることによって、焼き畑式にならないように資産を積み上げるのが、ビルディングブロックの意味合いです。だから最初にベースブロックを積みました、競争力の高い車両骨格構造とパワートレインを造りましたと。

 次はセカンドステップで、内燃機関の効率をしっかり上げながら、車両骨格のところも洗練させました。さらにマルチ電動化という展開の幅といいますか、フレキシビリティーを広げました。

[画像のクリックで拡大表示]

 生産についても、同じ「フレキシブル生産」と言っても、従来はコンポーネントや、「あるモジュールの単位での汎用設備」だったのですが、最終的には「ライン全ての工程全体を汎用化する」ことによって、どの車種が来ても全部同じラインで流れるようにしていきます。防府第2工場は既に対応済みです。そうすることで需要変動に寛容なラインになります。

需要変動に超低コストで対応可能

池田:BEV(バッテリーEV、電気自動車)でも内燃(エンジン搭載車)でも、プラットフォームがラージでもスモールでも、ラインを問わず全部いけると。

廣瀬:はい、おっしゃる通り、BEVでも内燃でも、ラージでもスモールでも混流で流れます。

池田:おお、カーボンニュートラル時代を見据えたすごく大きな進歩ですね。

編集Y:もしBEVの需要が盛り上がってきても、基本的には生産設備への追加投資なしに対応が可能、ってことですか。

廣瀬:はい。同じ車種のボリュームを増やす場合にはそうなります。BEVの新型車を増やす場合でも、1車種あたり従来比で10分の1レベルの投資で可能になります。

池田:なるほどねぇ。ちょっと細かいところに寄り道していいですか?

次ページ 電動化での差別化ポイント