「電動化の加速:ラインアップの強化」に大きな期待

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 そのあたりの詳細が分かるのはこの図だ。台数と、MIX/売価の伸びを大きく見込むが、「原材料価格」の高騰の影響がすさまじい。あとは台数の伸びをどうみるかだ。実績台数と共に、成長率もご覧いただきたい。アセアンで2割増、日本でプラス35%、北米で約6%増を見込んでいる。

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 ではそれだけの販売増加を見込む事業ビジョンはどういうものなのかを見ていこう。三菱自の基本的な考え方は、構造改革と販売の質改善によって業績の大幅な改善を見込んでいる。「FY2019」の厳しさと、「FY2020」の地獄を見る限り、そう簡単に脱出できることとも思えなかったのだが、「FY2021」で大幅に改善し、中期経営計画の目標の1年前倒しを見込んでいる。

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 先に挙げた各国での大幅な販売増を実現するのはどういう商品なのだろうか? すでに地域によっては小出しに書いてはいるのだが、あらためて資料をめくると、飛び込んでくるのは「電動化の加速:ラインアップの強化」である。

 右上で「新型軽EV」と書かれているのは6月16日に発売する「eKクロスEV」。三菱と日産の合弁会社「NMKV(東京・港)」で設計してきた内燃機関搭載の軽自動車(三菱「eKクロス」と日産「デイズ」)のシャシーを流用し、日産「リーフ」用に開発したラミネート型バッテリーモジュールを分散してリヤシート下などのデッドスペースにうまくレイアウトした。

 BEV(バッテリーEV、以下EV)は、専用のシャシーを用いないと本来効率が悪くなりがちなのだが、流用ながら、電池レイアウトを合理的にまとめてみせた。コストが重要な軽自動車EVにおいて、EV専用のシャシーを新設計していたのではマーケットの期待に応えられない。既存車両のリソースをいかに活かしてコストを下げるかが勝負になる局面で、良い判断であり、落としどころだと思う。こうした工夫によって、下は239万8000円から、上は293万2600円という価格を達成している。

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