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 「2021年度連結決算総括」を見よう。ホンダの場合、事業の柱が3つあり、二輪事業、四輪事業、ライフクリエーション事業に分かれている。いうまでもないが、それぞれバイクと、クルマと、汎用動力機械(耕運機など)だ。

 記事掲載当初、「この記事を読む人は四輪だけ抜き出して比べたい気持ちがあるだろうが、決算書はそういうふうにできていない。全部まとめてホンダである。そこはそういうものだとご理解いただきたい」と、嫌味な書き方をしてしまったのが、記事の掲載後に、別のページに、まさに総括のページで見たかった数字が出ていることに気がついた。

 資料の読み方が浅く、読者の方にもホンダの方にも大変ご迷惑をおかけしました。以下を修正させていただきます。

 まずは右半分から。売り上げは14兆5526億円で、昨対で10.5%。営業利益は8712億円で昨対32.0%の驚異的な伸び。営業利益率も1ポイント上げて6.0%と、逆風の時期としては上出来だ。ちなみに税引き前利益は1兆701億円でこちらも17.1%という途方もない上げ幅。コロナ禍初年度である前期と、2年目である当期を比べると、社会としてもホンダとしても対処の仕方が進歩した、ということだろう。

 どの事業で儲かったのかを左半分で確認したくなるのだが、なぜかここの数字は台数ベース。直接的な儲けの比率はこのページだけでは分からない。

 ホンダは以前からこの総括のページでは、事業ごとの数字を第4四半期実績で出し続けている。右の通期の表と並べるなら通期であるべきだろうし、数字はあるのだから、総括のページでは営業利益、売上高で出してほしいと思う。

 四半期ベースで拾い出してみると二輪事業は台数でプラス4.5%、四輪事業はマイナス7.4%、ライフクリエーション事業がプラス10.3%となっている。電子部品の搭載数が多い分、その供給難が四輪事業への減産に大きく影響したであろうことが分かる。

研究開発費を増やしたが、もっと増やしてもよさそう

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 次に「2021年度 税引前利益増減要因」を見る。前期の「税引前利益」9140億円からスタートして「販売影響」でプラス777億円。ここでは「インセンティブ」つまり値引きの抑制が2055億円プラスだが、台数減がマイナス1399億円分を打ち消してしまった。

 「売価/コスト影響」はコストが高くなってマイナス569億円。「諸経費」では前期に計上していた「品質関連費用」つまりリコール対策費が当期では減り、プラス836億円を生み出した。こういう後始末の出費は避けたいので、無駄な出費が抑えられたのは良きことである。

 「研究開発費」はマイナス347億円。これは電動化を出口戦略とするホンダにとっては欠かせない投資。むしろ本当はもっと増やしたほうが良い。電池事業は特にコストがかかる局面で、そこが決着しない限り、電動化を軸足にするのは難しい。そういう意味ではマイナス幅をもっと増やしてもいい。

 「為替影響」はプラスの1689億円。これはいずれにしても、一過性のもの。評価しても仕方ない。逆にいえば右端の当期税引き前利益から為替影響を引くと前期税引き前利益より128億円下回る。為替のゲタがなければマイナス成長だったとも言える。