スズキも大健闘の決算

 5月13日、スズキの決算発表が開示された。この短期集中の国内自動車メーカー決算分析はSUBARU(以下スバル)、日産自動車(日産)、トヨタ自動車(トヨタ)に続いて4本目となるが、各社本当によく戦っていると思う。スズキの決算もまた、大成功の部類にカウントできる。

 前々期(2020年3月期、2019年4月~20年3月)→前期(2021年3月期、20年4月~21年3月)を並べ、差分を添えてみる。図と同じことだが例によって「億円」単位で書かれた数字は慣れないと読みにくいので、分かりやすく書き直す。

  • 売上高 3兆4884億円→3兆1782億円 マイナス3102億円
  • 営業利益 2151億円→1944億円 マイナス207億円
  • 営業利益率 6.2%→6.1% マイナス0.1ポイント
  • 当期純利益 1342億円→1464億円 プラス122億円
  • 純利益率 3.8%→4.6% プラス0.8ポイント
  • 販売台数(四輪) 285万2000台→257万1000台 マイナス約28万台
  • 販売台数(二輪) 170万9000台→153万5000台 マイナス約17万台

 全体としては減収増益である。各社の決算を見てきて痛切に感じるのだが、日本の自動車メーカーは負け方が本当にうまい。普通は台数減→売り上げ減→利益減とドミノ式に崩れるはずの流れを、どこかでブロックして止めた。四輪も二輪も10%程度の販売数ダウンを受けながらの見事な手綱さばきである。その結果、結局は増益に持ち込んでいる。

 時間軸での流れを見てみよう。第1四半期(1Q)はやはり壊滅的な打撃を受けている。売上高は半減。営業利益はほぼなくなった。そこからの回復がスゴい。続く2Qでほぼ前年4Q並みに売り上げを回復し、利益に至ってはその4Qの1.65倍という躍進を見せたのだ。そこから売り上げは右肩上がりで、ほぼ直近のピーク値まで戻した。そこの部分を「見て見て!」という感じで抜き出したのが4Qの「営業利益増減要因」で、確かにスゴい。

 試みに、1Qの落ち込みがキャンセルされて、通常運転だったらどうなるかを試算してみよう。これは営業利益だけを見た方が他の要素が入らなくて分かりやすい。営業利益1944億円をほぼ2~4Qで達成しているのでこの間の平均を出すために3で割り、その平均ペースを4倍して通期換算すると2592億円になる。結果の1944億円との差は648億円になる。1Qを除外した9カ月の健闘ぶりがうかがえる。

続きを読む 2/4 売り上げ増・減益の背景

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