生まれも育ちも神奈川は藤沢が故か、試乗ルートは山より海を目指したくなる。1日フルに走れるなら房総半島か伊豆半島、半日でとなれば三浦半島が基本。

 ルート的にも好み的にも、寄り道の食い物は生魚志向なのだけれど、三浦だけはちょっと違う選択肢がある。東京湾側から城ヶ島を経由して、住所的には横須賀市だが、気分としてはもう葉山、という辺りに、南インドカレーの店「ロイヤルパラソル(神奈川県横須賀市秋谷4233-2)」がある。昨今流行の南インドカレーなのだが、流行に当て込んだわけではなく昔からある店だ。

(※お店の概要、メニューの詳細は著者の訪問時点のものです)

 試乗コースの飯屋としては、駐車場がちゃんとしていることは結構重要。借り物のクルマを当て逃げされたりすると困るのだ。この店は駐車場のレイアウトが比較的安心。平日訪問することが多いせいか、店内がバカに広く、部屋が3つのゾーンに分かれていることもあり客がまばらで、密を気にするご時世としてもありがたい。

 いつも思うのだが葉山あたりは少し時間の流れ方が違って、ゆったりした感じがする。そういう気分と店の内装がよくシンクロして、のんびりできるのも良い。テラス席もあって海も見えるが、オーシャンビューというには厳しい。店は134号の山側だが、海側にも住宅が立ち並び、その隙間からかろうじて海が見える。

 今回は本稿で紹介するつもりだったので少し奮発して2000円のロイヤルパラソルラージタリを頼んだ。テーブルに置かれたランチメニューにはランチとスペシャルランチの2種類あり、スペシャルはいわゆる南インドの定食=タリで、1400円、1800円、2000円の3種を軸に、ビリヤニ(インド式炊き込みご飯)も数種あり、これも大変美味いが、量的に危険。小食な人の4人前くらいある。

 さて2000円の定食は豪勢で、大皿に5種の煮込みモノとライス、ドーサ(クレープみたいなもの)とパパド(せんべいみたいなもの)が盛られ、これにサラダとスープ、ラムとフィッシュティカとシッカバブが付く。

 南インドらしく、煮込みは全体に素朴な味で、辛さは選択できるが、あまり辛いものが得意でない筆者はマイルドで注文、それでもスパイス使いのエキゾチックさは相当に高い。豆と野菜のサンバル(左手前)やタマリンドの酸味が効いたラッサム(右奥)は特にかの国の家庭料理らしさが強い。ナンみたいに見えるドーサはチーズ入りで、もちもち感とパリパリ感が共存しつつ、チーズの香りと旨味が加わって、ナンとはまた違った美味さがある。食うと手が油まみれになるのはご愛敬だ。

 何と言うか、作り手の向こうに家庭の味というか、こどもの頃からおふくろに食わせてもらった味みたいなものが想像できる感じがとても良い。あ、炊事は女性の仕事みたいに書いちゃいけないのか(笑)。んじゃあくまでも家庭の味ということで。

 ということでそろそろ本題に移ろう。

反対と賛成ではなく「EVのみ」か「それ以外も」だ

 今回のテーマは、ガソリン車禁止の流れにおける対立構造と、気の毒にも無策呼ばわりされている日本メーカーの戦略を明らかにしていこう、というもの。

 世の中では、件のガソリン車禁止論における議論は、【EV賛成派】と【EV反対派】の対立だと思われているようだが、その受け止め方は対立構造を煽りたい人たちの絵図に乗せられ過ぎで、現実とは違う。

 この問題に関しての派閥は論理的には4種類考えられるのだが、
 1の【内燃機関即刻打ち切り派】
 4の【EVを開発する必要はない派】
 は、おそらく実態としてほとんど存在しない。

 つまり【EV賛成派】と【反対派】というのは、実質的には2のガソリン車【打ち切り時期確定派】と、3の【EV以外も継続開発すべき派】の対立である。

 ネットを見ていると、「【打ち切り時期確定派】は、内燃機関やハイブリッド(HV)なんかにいつまでもリソースを掛けているからEVの開発で出遅れるのだ」というご意見で、まず現状として「日本はEV開発に出遅れている」と考えている。そして彼らの意見に異を唱えるのは、4の【EVを開発する必要はない派】だと思っているので「今EVを開発しないなんて自殺行為だろ」とか、「正常性バイアスが発動して、変化を見ない振りしているのだろう」と受け止めているようである。

 反対に【EV以外も継続開発すべき派】からすると、未確定な未来に対し、対応策をたったひとつに絞って戦うことは「特攻」に見える。まだ見ぬ未来に備えるに際して、EVが有力な選択肢であることに異論はない。だが、長期的には燃料電池車(FCV)や合成燃料(e-fuelやバイオ燃料)の目もあり、かつ移行期にはHVや高効率内燃機関も、安価で有効なCO2削減策として通用するのが今の実情と考えている。「にもかかわらずどうしてA案だけに絞るのだ。変化に対応するために、B案やC案も大事だろう」と主張している。

 ちなみに、国内の自動車メーカーがどう考えているかについては、例外なく、3の【EV以外も継続開発すべき派】である。

続きを読む 2/5 「私には未来が見える」って?

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