自民党内で「フェムテック振興議員連盟」が2020年10月に発足した。議連の会長を務める自民党幹事長代行の野田聖子氏は「フェムテックという需要を喚起することで、日本経済を変えるきっかけになる」と話す。なぜ議連を発足させたのか。今後、実現したい施策などを聞いた。

野田聖子[のだ・せいこ]氏 1960年生まれ。上智大外国語卒。93年、衆議院議員総選挙で初当選し、以後9期連続当選。消費者行政推進担当大臣、総務大臣、女性活躍担当大臣などを歴任し、現在は幹事長代行。2011年に長男を出産。不妊治療、医療的ケア児の支援などにも取り組む(写真:陶山勉、以下同じ)

フェムテック議連に加わった理由について教えてください。

野田聖子幹事長代行(以下、野田氏):もともとフェムテックに関わるグループがあり、そこで後輩の宮路拓馬くんという若手議員と出会ったのがきっかけです。宮路くんらの若い世代は女性に対してすごく科学的に考えてくれていたのです。もちろん女性のためでもあるし、日本の需要喚起にもなるからやりましょうという話になりました。

 そもそも、日本では需要が生まれていないから景気が良くならないということがあります。供給側にあたる企業の労働生産性の向上ばかり言っていても、犠牲者は従業員で、給料は上がらない。需要を生み出す私たちや消費者にとって、あまり良いニュースがありませんでした。

 私が生まれた頃は好景気で、冷蔵庫や洗濯機など普通の人が当たり前に欲しいというものが生まれ、みんなが買うことで景気が拡大しました。女性の健康のためにというより、これからの日本は新しい需要を起こさなきゃいけない。その一つのアイコンになるな、という思いがありました。

「女性のため」など抽象的な理由からではない、と。

野田氏:そんなきれい事はいいのよ。需要を作る、経済としてフェムテックに関わりたいという狙いもあります。けれどもう一つ大切なのは、やっぱり女性の体は男性と決定的に違うということです。

 私は去年60歳になったけれど、50歳で出産したとき子宮を摘出しました。ティーンエイジャーのときからあった生理とバイバイしたわけですが、そのときはすごく悲しくなりました。でも子宮を摘出した後、もう仕事がサクサク進む。つまり、女性にとって生理の期間がいかにロスタイムかと思い知ったわけです。

 生理がもうすぐ来るかなと思っただけで憂鬱になる。生理は大変な時間だけれど、この1週間があるおかげで、人類が紡がれ、経済や教育や文化がある。私たちはここに、もっと、男性の敬意が欲しいわけです。「昭和の男性」が考えられないのであれば、次の世代が考えていけばいい。男性は全く意地悪じゃなくて、わからないだけ。当事者じゃないから想像力が働かない。この違いを知ることが必要なのではないでしょうか。

生理中はトイレまでこっそりナプキンを持っていくなど、どこかタブー視されていたところはあったのかもしれません。

野田氏:コソコソしなきゃいけないし、気付かれたくない。でも普通のコンディションではないからこそ、配慮してもらいたい。男性に勝ちたい、男性より活躍したいではなく、もっと楽に生きたい。当たり前に、実力相応にやっていきたいということです。

 フェムテックは女性の生理、妊娠、不妊、出産や育児、更年期など様々な体の悩みをカバーします。ただ、日本ではおそらく保険適用のものがありません。規制も女性に意地悪しようと思っているわけではないものの、生理用のナプキンやタンポンにしても私が生まれた頃にできた法律をそのまま今も使っています。ここに立法府の不作為を感じるわけです。

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