企業のバリュエーション(企業価値評価)を測るのは難しい。上場企業であれば株式取引による時価総額の変動が一つの指標になるが、未上場企業の場合、企業価値の算定は非常に難儀だ。今時点の評価はもとより、チームの構成人材や事業ドメインの将来性などを鑑みながら潜在能力も考慮に入れなければならない。この連載では、海外のスタートアップ企業をケースとして挙げながら、ベンチャーキャピタリストがどのような「眼」で企業を評価しているのかを解説する。
シリーズ
久保田雅也の「ベンチャーキャピタリストの眼」

3回
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「駐車場」を金の卵へと変えた米企業の着眼点
コロナ禍で人流が変わり、影響が必至と言われる不動産業界。駐車場の価値を再定義した米リーフ・テクノロジーはコロナ禍を追い風に事業の拡大を続けている。技術の先に起きる社会変化、それに伴うニーズの変化をうまく捉えていることが要…
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河合薫の新・社会の輪 上司と部下の力学
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70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
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