本連載では、新事業創出や若手社員の育成など大企業スタートアップの利点を取り上げてきた。一方、これまでの日本の大企業によるイノベーションが十分に進んできたと考える人は少ないだろう。なぜ利点は少なくないのに、機会は生かされてこなかったのか。企業と若手社員は、「落とし穴」にはまってしまっていないだろうか。

 「会社のためにアイデアを出しているのに認めてくれない」

 大手インフラ会社の30歳代の男性社員は、後輩社員からこんな相談をよく受ける。男性社員は新事業を担う子会社を複数おこした「社内起業家」として知られ、「自分たちのもどかしさを分かってくれるはず」と考えた後輩からの嘆きが届く。

 ただ、男性社員自身の見方は冷徹だ。社内で新事業が認められるかは、「新事業を提案する前に、その社員が割り当てられている『本業』を120%こなせているかどうか」が重要だと考えている。

新規事業のアイデアを出しているのに……。そう嘆く若手社員も多いだろう(写真はイメージ、写真:Shutterstock)

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