拙著『The Business Reinvention of Japan』(日本のビジネス再興)が、スタンフォード・ビジネス・ブックス(米国のオンライン書店)とアマゾンで発売中です。欧米における事業戦略の概念を用いて、日本の新しい事業構築や戦略、北東アジアの新しいビジネス・パターンの分析を提示するものです。中国企業の台頭に対して、日本企業はどのように対応してきたのか? また、日本企業による戦略的リポジショニング(再定義)は、ビジネス関係やアジアの競争力にどのような影響を与えてきたのでしょうか。

 拙著『The Business Reinvention of Japan』で、著者が伝えたい論点は以下の通りである。

 日本で起きているビジネス変革が新たなビジネスチャンスと新たな市場をもたらし、新しいダイナミックな競争を引き起こしている。それは1990年代後半、韓国、台湾、そして中国の企業が高品質な量産組み立てメーカーとして台頭してきたことから始まった。

 こうした国々の企業は、高品質な家庭用電子機器、オフィス用電子機器などで消費者向けの製品を大量生産し、日本を打ち負かした。これに続いて半導体が登場した。そしてその過程で、韓国のサムスンやLGなどは、アナログからデジタルへ素早く移行した。

 初めは日本企業もどう対応していいか分からなかった。1990年代の韓国や台湾の台頭が国内の銀行危機や深刻な不況の始まりと重なり、一度に多くの問題が発生したからだ。企業戦略上の最初の反応は、「選択と集中」であった。この第一波の中で、多角化が進んでいた日本企業は、最も本業から遠く、収益性の低い事業から撤退していった。例えば、日本鋼管(現JFスチール)は半導体事業をスピンアウトしたし、ソニーはレストランチェーンを売却した。

 不良事業やノンコア事業を切り捨てただけだったが、それでも当初、企業が多少なりとも元気になったように見えた。だがそれだけでは、真の国際競争力を改善させることにはつながらなかった。

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