日本人は、揺れる大地に住みながらも生き延びてきた

成毛:本では不動産についても言及していますが、2040年に住宅の世界は一変しています。例えば空き家も増え、定額で全国住み放題のようなサービスがもっと活性化するはずです。そういうのを利用すれば、会社員でも多拠点を構えるのは決して非現実的ではないですよね。

鎌田:重要なのは「不意打ちを食らわないこと」です。現在の最先端の地球科学でも地震や噴火が起きる日付を特定するのはまったく不可能です。日本地震学会も地震予知に白旗をあげました。ただ、これまでお話ししたように、災害が起きる場所と期間の範囲を示すことは可能です。実は、2035年±5年に南海トラフ巨大地震が起きるというのは、本当に「虎の子」の情報なのです。そして教科書的ですが、平時から危機を想定して備えるしかありません。

成毛:リスクはゼロにはできませんが、個人の取り組みでも減らせますからね。そうしたヒントを得るためにも、あらゆる分野に対するアンテナの感度を良くしておくことが欠かせませんよね。

鎌田:はい。最後に明るい話をしますと、2040年の日本は復興の途上にあると思います。巨大地震が起きて、富士山も噴火して大変だと思われるかもしれませんが、どん底を経験すれば、上向くしかないわけですから。南海トラフは約100年周期で起きましたが、歴史を振り返るとひとつの時代の区切りになっているんですね。時代がガラガラポンされています。

成毛:確かに、前回起きたのは1946年ですね。太平洋戦争が前年に終わり、日本は人類史上、まれに見る経済成長をとげました。その前は1854年、黒船が来航して、明治維新に向かって走り出した頃ですね。痛みは伴いますが、南海トラフで旧世代が一掃されて新しい時代が始まっています。

鎌田:そうなんです。日本人はこんな揺れる大地に住みながらも、必ず生き延びてきたわけです。完璧主義に陥らず「減災」の発想で被害を可能な限り抑え、新しい時代に備えることが求められているのではないでしょうか。

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 iPhoneが発売されたのは、たった13年前でした。現在、スマートフォンがない世界は考えられません。テクノロジーだけでなく、ほかのことも、気づいたときには手遅れなのが人間のさがです。

 地震や災害も、リスクを分かっていながらも被災するまで手を打つ人は少ないし、明らかに社会制度は破綻しつつあります。人口は増えず、老人ばかりの国になるし、環境問題も悪くなる一方です。これまでと同じように暮らしていたら、今の年齢によっては取り返しのつかない可能性もあります。

 この本では、あらゆるデータから導き出されるありのままの未来を著者が予想します。

 しかし、暗い未来でも未来を予測できる力さえあれば、どう生きればいいかは自然と分かります。「今日」にはこれから起こることの萌芽(ほうが)があり、現在を見つめれば、未来の形をつかむことは誰にでもできます。

 本書は、ただ知識を得るためだけの本ではありません。読んだ後には、俯瞰(ふかん)的に未来を考え、そして自分の人生を切り開く力がついているはずです。

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