フェイスブックは人間関係を、リアルなネットワークよりもずっと強力なスケールフリー性を持ったネットワークとして再構築し、この分野において圧倒的な強みをつくり上げた。巨大なスケールフリーネットワークを構築し、人が集まるようになった段階でマネタイズを始めたのだ。だが、そこにもつけいる隙はあった。

 東芝執行役上席常務・最高デジタル責任者で、東芝デジタルソリューションズ取締役社長を務める島田太郎氏とフューチャリストの尾原和啓氏による連載「スケールフリーネットワーク」の第4回では、フェイスブックやインスタグラムがどのようにスケールフリーネットワークの力を利用して存在感を高めていったのかについて見ていく。

※1月8日発売予定の『スケールフリーネットワーク ~ものづくり日本だからできるDX~』から一部を抜粋して連載します。書籍の内容とは一部、異なりますことご了承ください

 第3回では、グーグルがいかにスケールフリーネットワークを使って規模を拡大してきたかを解説しました。今回は、フェイスブックやそれに続くインスタグラムについて、スケールフリーネットワークが果たした役割を見ていきます。

 フェイスブックは「ウィーク・タイ」、つまり緩やかなつながりをつくり可視化したことが、スケールフリーネットワーク化の促進に大きく寄与しました。

 フェイスブックを使っている人は、フェイスブックが登場する前の人間関係を思い出してみてください。今どんなことをしているかを把握している友人がどのくらいいたでしょうか。最近の動向を知っている友人はせいぜい20人程度で、あとは毎年の年賀状で近況を知るだけ、という方も多いでしょう。つまりリアルの関係性の中に閉じているだけでは、人と人とのつながりはスケールフリーネットワークになりにくいのです。

 ところがフェイスブックの登場により、400人の友人とつながっていてもお互いが何をやっているのかおおよそ分かるようになりました。弱い関係性の人とも緩やかにつながれるようになったのです。こうして一人ひとりの常時つながる友人が増え、友人の多い人が巨大なハブになることを可能にしたのです。

 ウィーク・タイが可視化されるのはフェイスブック上だけですので、自分が友人を探したいとき、誰かとつながりたいときは常にフェイスブックを見る必要があります。また、フェイスブック上の共通の友人を見て、「この人を紹介してほしい」という依頼が増えるようになると、ハブとなっている人にとっては友人・知人関係がひとつの資産となり、フェイスブック上で自身のネットワークを広げる活動をするようになりました。

 こうしてフェイスブックは人間関係を、リアルなネットワークよりもずっと強力なスケールフリー性を持ったネットワークとして再構築し、この分野において圧倒的な強みをつくり上げました。そして巨大なスケールフリーネットワークを構築し、人が集まるようになった段階で、フェイスブックはマネタイズに着手します。あくまでスケールフリーネットワークを作るのが先で、マネタイズは後なのです。

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