歯槽膿漏になりそうな人が分かる

緒方:経営統合の成果がどう出るかと並んで興味深いのが、これからの店舗づくりです。かつてはマツキヨの店舗が訪日外国人のツアーのルートに含まれてもいたそうですが、コロナ禍によって落ち込んだ現状をどのように立て直しますか。

松本:正直なところ、いつ、どこまで戻れるかは分からないですね。ただ、お客様との接点を国内と海外、リアル店舗とオンラインとに分けた場合、一番のメインが国内のリアル店舗であることは確かなので、ここで収益を上げられるようにしていきます。

 ところで今日は本社までお越しいただきましたが、どうやって来られましたか?

緒方:JR新松戸駅から歩いてきました。

松本:駅前にマツキヨの店舗があったと思います。そこには、薬剤師のほか、管理栄養士などのスペシャリストがいて、お客様一人ひとりに合わせたサプリを調合するサプリメントバーや、健康チェックができるヘルスケアラウンジなど、matsukiyo LABの機能も持たせています。ものを売るだけではなくこうしたサービスも提供していかないと、お客様は気づかないうちにいなくなってしまいます。

緒方:裏を返せば、ほかにはないサービスがあれば、ファンになりますね。

松本:大事なのは「商品」「サービス」、あとは「場所」ですね。都心部では、遊びに来たついでに楽しく買い物できるように化粧品を充実させたりする一方で、郊外のロードサイド店では日用品を充実させたりしています。

 マツキヨは千葉を中心に関東に店舗が多いですが、ココカラファインの母体の一つは大阪発祥のセガミメディクスです。広島を含め、西日本にも店舗が増えるので、ぜひいらしてください。

 また付け加えると、インバウンドが盛り上がった時期は、訪日外国人が多い店では彼らにとって魅力ある商品をそろえました。

緒方:外国人に人気の商品というのはどうやって把握するのですか。

松本:免税店ではパスポートを確認するので、どの国の人にどんな商品が人気なのかデータで分かるのです。今、マツキヨは海外にも店舗がありますが、それぞれの国での品ぞろえは、こうしたデータに基づいて決めています。

 ですから、商品名や説明を日本語と英語、あともう一つ別の言語で併記する場合、この商品なら中国本土で使われている簡体字で、この商品は台湾や香港で使われている繁体字で、といった判断もできます。

 データといえば、例えば私たちは、歯槽膿漏(しそうのうろう)になりそうなお客様のことがある程度分かります。

緒方:えっ。何かサインがあるのですか?

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