就業者の5人に1人が高齢者

給料が下がる覚悟はできているか(写真:PIXTA)
給料が下がる覚悟はできているか(写真:PIXTA)

高齢者雇用がレアケースなうちは、そこまで問題にならなくても、一般的になれば、合理的な説明なしには回らないと。

今野氏:従業員が1000人いて高齢者が1人だというのなら、個別対応で適当にやるのでもいいかもしれない。けれど、それが100人や200人になったらね。これはもうちょっと考えなければいけない。まさに今がそんな状況です。

 個別対応はもう無理。制度できちんと対応する必要があります。マクロで見ると、就業者のうち60歳以上はだいたい5人に1人。中小だとより多くて、大企業は比較的少ない。それでも、従業員が1000人いたら高齢人材が200人いるというのが企業の平均像なわけです。これを個別対応でどうにかするなんて不可能だし、その人たちがサボったら会社はつぶれますよ。

 高齢人材が1000人のうち1人しかいないんだったら、のんびり働いて給料をいっぱいもらうなんてことも許されたけれど、200人いたら無理でしょう。やはり成果に合わせて払うということになりますよね。

「生きがい就労」は「雇用」とは言わない

高齢者の就労をめぐっては、やりがいさえあれば、給料が低くても構わないといった意見も時に聞かれます。

今野氏:最近あまり言わなくなりましたが、「生きがい就労」という言葉があるでしょう。私はこの言葉が大嫌いなんですよ。それは雇用とは言わないだろうって。ちゃんと働いてもらったのなら、ちゃんと払いなさいということです。企業の経営戦略として高齢人材を使うんだから、安く使ってはいけませんよね。高く払ってもいけませんけど。

確かに。高く払ってもいけないけど、安く使ってもいけない。

今野氏:いけないと思います。そうすると、高過ぎないとか安過ぎないとか、公正な賃金水準ってどうするのか。しっかりと制度設計をしなければいけない。そのときに従来みたいに年齢や勤続を基準にするなんていうのは、もう無理なので、やはり何の仕事をしているかということを基準にしていかざるを得ないだろうなと思うんです。

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