創業者や中興の祖らが七転び八起きする中で紡ぎ出した知恵の一言。先達が築いた「灯台」として、時を超えて今も人々の先行きを照らす。事業を興した幾多の試練の中に難局を生き抜くヒントがある。

 「好況よし、不況さらによし」「やりの名人は突くより引くときのスピードが大切」「動機善なりや、私心なかりしか」。伝説の創業者の隠れた名言の意味を時代背景とともに解説する。

(写真=共同通信)

 松下電器産業(現・パナソニック)創業者の松下幸之助氏。言わずと知れた「経営の神様」は危機対応のヒントとなる名言も多い。1929(昭和4)年、大不況に見舞われて製品販売が激減。松下氏自身も病に伏せていた。

 幹部が人員削減を打診すると、松下氏は首を振った。「人は1人も減らさない。日給も全額払う」。驚く幹部にこう続けた。「工場は半日操業にする。だが休み返上で在庫を売り切ってくれ」。解雇を免れた従業員は団結し、倉庫の在庫は数カ月で一掃されたという。

 松下氏は「好景気のときは駆け足、不景気はゆっくり歩くようなもの」と説き、不景気は調子がいいときに目に入らなかった欠陥に気付く契機と捉えた。この発想から「好況よし、不況さらによし」との教えを残した。

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