共働き家庭が増える中で、家事の時短を実現する家電の「新・三種の神器」と呼ばれるのが食器洗い乾燥機、ドラム式洗濯乾燥機、ロボット掃除機の3つ。その中から、これまでになかった掃除スタイルを実現するロボット掃除機の進化について紹介していこう。

“ランダム走行”でロボット掃除機の礎を築いたアイロボット「ルンバ」

 ロボット掃除機の元祖というと、実はスウェーデンの家電メーカー、エレクトロラックスが2001年に発売した「トリロバイト」なのだが、現在に至るまで続くシリーズとして有名なのは米アイロボットの「ルンバ」だろう。円形フォルムの本体中央部にブラシバーを搭載する吸引口を備えており、本体斜め前方にフロア上のホコリを中央部までたぐり寄せるブラシを搭載。室内を縦横無尽に動き回り、前方のバンパーが壁などに衝突すると方向転換し、ほぼランダムに動きながらフロアをくまなく掃除するというものだった。

 2004年に発売した「ルンバディスカバリー」で部屋の大きさを判断できたり、充電したりできるようになり、2005年にスケジュール機能がついた「ルンバスケジューラー」を発売。本体中央のボタンを押すだけの簡単操作になり、自動充電や掃除のスケジューリング、進入禁止エリアを設定できるバーチャルウォールなどの主要機能を盛り込んだ2007年発売の「ルンバ500」が現在のルンバシリーズのベースになった。

 2014年には、髪の毛などがからみやすい従来のブラシバーではなく、シリコン製のローラー2本を前後に配置することで従来より吸引力を約5倍にアップした新開発の「AeroForceクリーニングシステム」を搭載する「ルンバ800シリーズ」を発売し、基本の清掃性能も最大50%向上した。

ルンバシリーズのスタンダードモデル「ルンバ e5」
ルンバシリーズのスタンダードモデル「ルンバ e5」

無駄なく走行して効率的に掃除する「SLAM」機能

 ロボット掃除機というと、「ランダム走行しながら壁にぶつかると方向転換する」というイメージだったが、そこに一石を投じたのが米シリコンバレーのスタートアップ、ネイトロボティクスが2009年に発表した「XV-11」に搭載の「SLAM」機能だった。SLAMとはSimultaneous Localization And Mappingの頭文字を取ったもので、「自己位置推定」と「マッピング」を同時に行う技術のことだ。XV-11はLiDAR(Light Detection and Ranging、レーザーを用いて対象物との距離を測定する技術)を用いて部屋の壁や家具などの位置を把握し、マッピングするというもの。一般的にレーザーSLAMなどと呼ばれており、同社の最新モデルのほか、パナソニックの「RULO(ルーロ)」シリーズなどに搭載されている。

D型フォルムを初めて採用した米ネイトロボティクスの最新ロボット掃除機「Botvac D7 Connected BV-D701」
D型フォルムを初めて採用した米ネイトロボティクスの最新ロボット掃除機「Botvac D7 Connected BV-D701」

 ロボット掃除機の先駆者で、現在もグローバル市場や日本市場で圧倒的なシェアを持つルンバシリーズだが、SLAM機能を搭載したのは後発だった。アイロボットが2015年10月に発売した「ルンバ980」は、英ダイソンが2015年10月に発売した「Dyson 360 Eye」と同様、カメラ(CMOS)センサーで撮影した映像を基に自己位置推定とマッピングを行う、「ビジュアルSLAM」と呼ばれる機能を搭載しているのが大きな特徴となっている(ちなみにダイソンは2014年9月にDyson 360 Eyeを発表したものの、発売を予定していた2015年春からずれ込んで2015年10月の発売となった)。

ダイソンが2015年10月に発売した「Dyson 360 eye」
ダイソンが2015年10月に発売した「Dyson 360 eye」
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