英国のジョンソン首相は、COP26での合意作りに執念を燃やす(写真:AP/アフロ)
英国のジョンソン首相は、COP26での合意作りに執念を燃やす(写真:AP/アフロ)

 ロンドン郊外の筆者の自宅がある町は、日本人どころか移民も珍しく、ほぼ英国人しか住んでいない。ロンドン中心部の国際的な雰囲気とは一線を画し、周囲はミドルクラスの家庭が多く、典型的な英国人の10代の若者とも接する機会も増えた。ここのところ、彼らから最近の英国の若者の間での“〇〇離れ”の話を聞く度に、目からうろこが落ちる。

 まず、よく耳にするのが (英国の若者の)“ジーパン離れ”である。日本の若者の間でも同じ状況のようだが、英国では特に加速している印象を受ける。代わりに、何を外出時に身に着けているかというと、“ジャージー”である(しかも上下)。

 筆者の年代において、ジャージーで外出といえば、部活に行く時であるが、最近の英国の若者の9割(筆者推計)がこれである。ただし、ジャージーといっても、ファッション性が高い“大人のジャージー”であり、非常に動き易く慣れると意外と病みつきになる。筆者も最近では、ハイプ(英国レスター生まれのブランド)のジャージー上下で外出することが増えた。

 また次によく耳にするのが、“SNS離れ”である。社名をメタに変更した、フェイスブックのアカウントを持つ英国の若者は限りなく少ない。またインスタグラムやツイッターもあまり使われず、利用しても(投稿しても数秒で消える)スナップチャットがメインとなっている。また“YouTube離れ”も加速しつつあり、動画視聴はTikTokが主流になっている。ただ筆者が若者の時には、ジャージー以外は全てなかったものなので、なくとも特に生活に支障はないだろう。

欧州金融市場のラガルド離れ

 一方、欧州金融市場で最近加速している“○○離れ”といえば、欧州中央銀行(ECB)の“ラガルド総裁離れ”である。

 ユーロ圏のインフレ率は10月に4.1%に達し、2008年以来、13年ぶりの高水準に到達した。インフレ率の上昇は世界的な傾向であり、ロシア、ブラジル、メキシコなど新興国の多くでは既に利上げされ、これに続き米連邦準備理事会(FRB)や英イングランド銀行(BOE)も欧州の市場関係者は、2022年末までに、ECBも利上げに踏み切るとの観測を強めている。 

 ラガルド総裁は、ユーロ圏のインフレ圧力は一時的なもので、2022年中には減退すると予想し、利上げは当面様子見という見解を崩していない。10月28日の後の記者会見で、先走るマーケットの利上げ予想に反論し、「以前の予想よりも時間がかかるものの、来年の途中で(インフレ圧力は)緩和される」と、インフレ率は引き続き目標の2%を下回ると見ていることを強調した。

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