今回は「政治的デフォルト」

 このようにロシア当局は再三、返済能力も意欲もあるが、西側諸国が意図的にこれを妨害し、人為的なデフォルトを起こそうとしていると主張している。今回の「支払い不履行」はまさしくロシア政府の主張するように、支払いたくとも支払えない状況で、いわば「ポリティカル・デフォルト(政治的デフォルト)」のようなものであり、正式な債務不履行に陥ったわけではない。

 ただ、正式なデフォルトとなれば、国債保有者は投資回収のために法的措置を開始する可能性がある。次に予定されている外貨建てロシア国債の支払期限は6月23日(ドル建てだがユーロ、ポンドあるいはスイスフランでの返済オプションあり)、翌24日(ドル建てで、代替通貨での返済オプションなし)となる。前者の猶予期間は30日間、後者は15日間である。ロシア政府がルーブルでの返済を強行すれば、猶予期間後に正式にデフォルトと認定されることになろう。

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