ロシア調査を足掛かりに、多くの国を仕事で訪れました。10年間ロンドンに駐在していた経験も踏まえ、独自の視点でグローバル金融市場や政治経済の動きをお届けします。公私で体験した身近な話題と共に、ミクロ・マクロを問わず広角に捉えた形でお伝えします。(写真:PIXTA)
シリーズ
菅野泰夫のズームイン・ズームアウト

42回
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中国のロシア支援、米国のウクライナ支援との我慢比べに
中国は既に西側諸国の制裁により打撃を受けているロシア経済を、エネルギーや原材料と引き換えに製品や技術をロシアに輸出するといった形で救済している。
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商業不動産に火種 銀行救済は金融危機の確率を高めていないか
働き方の変化や利上げで、欧米で商業不動産の値下がりが激しく、企業破綻につながりかねない。政府による銀行救済はリスクの先送りに見える。
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ウクライナを揺さぶる米機密文書の流出とマクロン仏大統領の訪中
ロシアとの停戦交渉を拒否しているウクライナが、停戦交渉に応じる構えを見せている。米国での機密文書の流出やマクロン仏大統領の訪中も、ウクライナに少なからず影響を与えている
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クレディ破綻、金融危機後のルールが機能せず 健全性をどう評価?
スイスのクレディ・スイス・グループは政府救済により同国のUBSに買収された。2008年の金融危機後に二度と政府による銀行救済をしないという決意からバーゼル規制の強化が始まっているが、スイス当局の対応を見ると、崇高な理念自…
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プーチン氏以上の強硬派も 西側が恐れるロシア大統領選の候補者
2024年の大統領選に向け、プーチン大統領陣営が5選に向け準備を始めたとの報道が過熱している。プーチン大統領以外で大統領選の候補者と目されているのは、戦争派といわれるタカ派が中心である。
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ウクライナはロシアに勝てるのか? 欧州の軍事支援に高まる不安
ロシアによるウクライナ侵攻が始まってから1年がたとうとしている。ロシアの30万人の動員や、西側諸国の戦車供与は戦況にどのような影響を与えるのか。ロシアの大規模な攻撃の準備が報道される中、今後の展望をお伝えする。
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ロシア経済の大幅縮小予想も 戦争混迷で動員逃れの人口減が重荷に
2022年は予想よりGDPの落ち込みが小さかったロシア経済。2023年以降はウクライナ侵攻の長期化で、労働人口の減少や生産減が響き、大幅な経済縮小の予測もある。
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欧州の上から目線にアラブ諸国が反発 政治利用の舞台となったW杯
サッカーワールドカップカタール大会では、西側諸国がアラブ諸国における性的少数者の権利を主張し、大きな論争となった。国際サッカー連盟(FIFA)はサッカーにイデオロギーを持ち込むことを禁じているが、政治的な対立は収まりそう…
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英国でストライキ頻発 インフレによる生活費危機から市民の同情も
英国では電車の運転士や空港スタッフ、ごみ清掃員などによるストライキが頻発している。景気減速に加えインフレによる生活費危機が続き、英国経済は苦境に立たされている。
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42歳のスナク氏が英新首相に トラス前政権の汚名を返上できるか
英国のトラス前首相は、英国史上最短の在任期間で首相を辞任した。高インフレや生活費危機に公的財政の再建という火中の栗を拾うスナク新首相のかじ取りを、世界中が注目している。
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日本もロシアとのエネ戦争の備えを、石油価格の上限設定が引き金に
主要7カ国(G7)は9月2日、ロシア産石油価格の上限に上限を設定するスキームを導入することで合意した。ロシア政府は同スキームに参加する国にエネルギーを輸出しない方針を示している。サハリン2から天然ガスを輸入する日本にも影…
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「雨不足ニモマケズ、風不足ニモマケズ」が今年の英国の目標?
英国の水不足と風不足が深刻になっている。再生可能エネルギーの発電量が落ち、天然ガスの貯蔵も難しいことから、ガス価格の高騰が予想されている。英政府はどのように対応するのか。
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欧州首脳の辞任ドミノと政局混乱で、ウクライナ離れが続くか
英国のジョンソン首相が与党の支持を失い、9月に辞任することが決まった。同首相はウクライナ支援を主導してきた。イタリアやフランス、ドイツでも首脳の辞任や政局混迷が顕在化し、ウクライナ支援に黄信号がともり始めている。
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結局、ロシア国債はデフォルトしたのか?
世界の大手金融機関でつくるクレジットデリバティブ決定委員会は6月1日、ドル建てのロシア国債が「支払い不履行(failure to pay)」に当たると認定した。これをどのように解釈すべきか。ロシア国債のデフォルト(債務不…
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暗号資産の暴落も ロシアによるウクライナ侵攻長期化の思わぬ余波
ロシアによるウクライナ侵攻の余波はこれまで英国のフィッシュ・アンド・チップス店の減少や、暗号資産業界への懸念など思いもかけない方向に表れている。侵攻の長期化は、さらなる影響を及ぼしかねない。
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ウクライナ戦争終結に向け、ロシアへの制裁解除の道筋を
効果が不十分なロシアへの経済制裁を続ける副作用は大きい。エネルギー価格の高止まりを引き起こし、日本を含む西側諸国によるウクライナへの資金援助を続けさせることになり得る。
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ロシア制裁で欧州エネルギー危機、フランス大統領選でも主要争点に
欧州ではロシアのウクライナ侵攻により1970年代のオイルショックに相当するエネルギー危機に直面している。物価上昇は有権者を苦しめ、4月のフランス大統領選にも影響を与えそうだ。
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実は財政余力のあるロシア、経済制裁で「国債デフォルト」のシナリオ
ロシアは財政健全化を進め、対外債務残高を減少させてきた。だが、西側諸国の経済制裁で国債の利払いに支障をきたし、デフォルトの懸念が強まっている。
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ロシアとの緊張を高めたウクライナ大統領の危険な「挑発」行為
ウクライナを巡り西側諸国とロシアとの緊張が高まった発端は、2019年にウクライナ大統領に選出されたゼレンスキー氏がロシアとの合意を反故(ほご)にしようとしたことだといわれている。ロシアと西側諸国との見解の違いは埋まりそう…
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緊迫のウクライナ情勢 ロシアへの経済制裁が効きにくい理由
ウクライナ情勢を巡る緊迫が高まっている。ロシアがウクライナに軍事侵攻すれば、西側諸国は経済制裁を科すことを警告している。経済制裁はどれだけ有効なのか。これまでの事例から検証する。
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全8回