自動車業界ではここ数年、「CASE」と呼ばれる技術革新が進んできた。シェアリング(S)はコロナで一時的に止まり、膨大なコストを要する自動運転(A)は抑制気味ではあるものの、電動化(E)とコネクテッド化(C)は、中国や米国が主導する形で実用化が急拡大している。

 時価総額6000億ドルを超えた米テスラの飛躍が目立つ一方、既存メーカーは膨大なコスト負担を迫られている。クルマ開発で重要な技術分野が機械から電機、IT(情報技術)へと変容する中、チャンスを見いだそうとするIT企業や電機企業の参入も後を絶たず、競争環境も厳しくなるばかりだ。

2020年、ホンダもCASEの波に乗り遅れまいと同社初の量産型EV「ホンダe」を発売した
2020年、ホンダもCASEの波に乗り遅れまいと同社初の量産型EV「ホンダe」を発売した

 とりわけ部品勢は過酷な戦いに巻き込まれつつある。

EV化で没落する部品メーカーも

 コロナ補助金の下支えもあって、EVの導入が活気づいているのは前述の通り。日本政府は30年代半ばにガソリン車の新車販売をゼロにする目標の検討を始め、東京都の小池百合子知事は30年までに都内で販売される新車をすべて電動車にすると表明した。これまではおぼろげだった「ガソリン&エンジン→電池&モーター」という流れが具現化したことを受け、トランスミッションなどエンジン周りの部品メーカーは焦燥感に駆られている。

 21年1月には、日立製作所とホンダの傘下の自動車部品メーカー4社が統合する新会社「日立Astemo(アステモ)」が発足する。「21年はさらに、これまでの業界の枠を超えたM&A(合併・買収)が進む公算が大きい」とSBI証券の遠藤氏は読む。

 とはいえ、自動車産業全体としては当面、明るい状況が持続しそうなのは事実。様々な課題が残るものの、基幹産業の好調は、日本や世界経済がコロナ禍を乗り切る上で心強い材料となるのは間違いない。

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