慶雲館は全室に加水、加温のない源泉掛け流しの温泉を設置(写真:栗原克己)
慶雲館は全室に加水、加温のない源泉掛け流しの温泉を設置(写真:栗原克己)

数年後の開通で新しい時代に

 山深い慶雲館だが、実は新たな時代を迎えつつある。これまでは辺ぴな場所にありながらも温泉の魅力などで集客してきたが、近くではリニア中央新幹線のトンネルなどの工事が着々と進められている。慶雲館に向かう道路は山奥にもかかわらずダンプカーなどの工事車両が目立つ。

 リニア新幹線の工事に伴い、周辺の道路やトンネルの整備が進行。数年後に完成すると、甲府までは高速道路を経由しても1時間半から2時間かかっているのが、1時間ほどに短縮されるという。また今は慶雲館への道路は少し先で行き止まりだが、これによりほかの道路とつながるため回遊性も出てくる。秘境の宿だった慶雲館は次の時代に入ろうとしている。

 「利便性が上がるのはチャンスだが、業歴が長いからといってそれだけで来てもらえるわけではない。だからこそコロナ禍の中でも、『慶雲館はやはりいい』と思っていただくために、どうしたらいいかを考え続ける毎日だ」と川野氏は話す。

秘境の宿だった慶雲館は次の時代に入ろうとしている(写真:栗原克己)
秘境の宿だった慶雲館は次の時代に入ろうとしている(写真:栗原克己)

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